...彼れは汽車の中で自分のいい分を十分に考えようとした...
有島武郎 「カインの末裔」
...いまだ明らかに五音(いん)をいい分かつことあたわず...
井上円了 「甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」
...怠けてはいかんとは少し人を見そこなったいい分ではないかと私は思いました...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...乱暴極まるいい分を...
中里介山 「大菩薩峠」
...いい分別がつきましたか」「大旦那様...
中里介山 「大菩薩峠」
...生意気ないい分であるかもしれないが...
中谷宇吉郎 「千年の時差」
...加十のいい分などお取上げになろう筈はない...
久生十蘭 「魔都」
...いい分別もつくのである...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...いい分別を持つてゐる証拠だ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...寵愛(ちょうあい)ならびない浪路のいい分に背(そむ)いて得はないと知る彼女...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...人民のいい分の正しいことがきわめてしばしばある...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...――というのが、正直、かれら下役の、いい分らしいが、さりとて、泣き言をいうのは、中山出雲守の北組にたいし、なんとも、小癪だという意地もあって、忍んでいる顔つきだった...
吉川英治 「大岡越前」
...いい分がたくさんあるんですからね...
吉川英治 「大岡越前」
...いい分別はないものかしらね……」「お延……」と小六は...
吉川英治 「剣難女難」
...いい分が通ったことに優越感をもったらしく...
吉川英治 「親鸞」
...俺たちのいい分に不服があるか」「ない」「ふん……さすがに返す言葉がねえわ」と...
吉川英治 「親鸞」
...武芝のいい分は、こうなのだ...
吉川英治 「平の将門」
...こっちの条件と、先のいい分とは、弓矢八幡も照覧(しょうらん)と、かたく誓い合って、どじょう髯(ひげ)とわかれて沢庵が本堂へ戻って来ると、彼女は沢庵へ向って、その無謀を責めて熄(や)まなかった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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