...――「あれあれ渚を離れる...
泉鏡花 「浮舟」
...あれあれ、あんなところに……」その声に、一同がバラバラとカーテンの影からとびだしてみると、聖壇(せいだん)のまえ方六メートルばかり、ぽっかりと床に大きな穴があいていて、そのなかを覗(のぞ)いてみると、数十メートルのはるか下に、黒ずんだ水がはげしく渦(うず)をまいていた...
海野十三 「少年探偵長」
...五十五階の摩天(まてん)ビルが半分に折れて、あれあれ、あのようにこっちへ倒れてくるぞ...
海野十三 「ふしぎ国探検」
...皆はあれあれといふばかりで...
薄田泣菫 「茶話」
...だんなさま! あれあれあれ! あんなことをして!」と...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...顧みて数えると、まず駒木野の関所であの女、次に小仏峠で足の早い奴、それから鶴川では槍をよく使う小兵(こひょう)の男、それから猿橋へ来て橋へ吊されたものが前の足の早い奴で、また片手の無い奴、それを捉まえてみるとその夜のうちに消えてなくなる」「それらと考え合せると、昨夜の婦人の挙動、それから前のいろいろの珍事にいちいち糸が引いてあるようにも思われる、もしあの片手のない奴が、昨夜の婦人を浚って逃げたのではないかとも思われる、そうだとすれば婦人が一人で帰ったのがおかしいけれど、あの片手の無い奴はこのあたりの山に隠れているかも知れぬ」猿橋の問屋で逃げられたがんりきのこと、もしやこの道中のいずれにかと、雑談に耽(ふけ)りながら左右に眼を配りつつ進んで行ったが、笹子峠の七曲りというのへ来た時分に、「あれあれ、あの谷川で水を飲んでいる者があるぞ」駒井能登守が谷底を望んでこう言いましたから、一同はみんな谷底をのぞいて見ました...
中里介山 「大菩薩峠」
...あれあれ、廊下がミシリミシリ言うぜ、やって来た、やって来た、おいでなすった」金助は驚き怖れて、蒲団(ふとん)を頭からスッポリ被(かぶ)って息を凝(こ)らしていました...
中里介山 「大菩薩峠」
...あれあれ玉が――」ここに竜之助なる人間の存在などは...
中里介山 「大菩薩峠」
...チユウチユウ鼠と云ふ鼠おー こわ こわや猫の髯が こわやおー こわ こわや猫の声が こわやあれあれ ゆうら ゆら猫の髯では あるまいかあれあれ ニヤンニヤンニヤン猫の声では あるまいか来た来た 来た来たゆうら ゆら来た来た 来た来たニヤンニヤンニヤン達磨さんの歌に鼠はびつくりした途端(はづみ)に棚の上からころげ落ちました...
野口雨情 「未刊童謡」
...そんなはずはない」「はずにもなにも……あれあれ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...侍女と松風 あれあれ...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...あれあれ! 一の堀...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...長崎屋――あれあれれ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
......
三好達治 「間花集」
...いけませんね!――あれあれ...
三好達治 「測量船拾遺」
...蔭であれあれと言っている時代ではあるまいと思う...
柳田国男 「木綿以前の事」
...老女や多くの侍女(こしもと)は唯あれあれと...
吉川英治 「剣難女難」
...包囲されます」「あれあれ...
吉川英治 「三国志」
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