...青(あほ)い澄(す)んだ空(そら)には何(なに)もないではないか...
竹久夢二 「コドモノスケッチ帖」
...まるで阿呆(あほう)である...
太宰治 「酒ぎらい」
...阿呆(あほ)くさい限りの議論をたたかわすのである...
太宰治 「父」
...僕だって阿呆(あほう)ではない...
太宰治 「パンドラの匣」
...「あほう、そんなことを云うひまに、お客さんに茶でもあげえ」忰(せがれ)は何を云っているか判らない船頭一家の話を切れ切れに聞いていたが、そのうちに胴の間へ来る軽い跫音(あしおと)がするのでふりかえった...
田中貢太郎 「参宮がえり」
...「阿呆(あほ)やなあ...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...・朝焼あほげばぶらさがつてきた簑虫・草の青さに青い蛙がひつそり庵にも赤い花が咲いてゐる――と誰かゞいつた...
種田山頭火 「行乞記」
...自分ながら阿呆(あほう)な訊ねようだと思ったが...
近松秋江 「狂乱」
...阿呆陀羅經(あほだらきやう)見たいなお經をあげ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...陽に焦(や)けて思いおくところなく真っ黒になった顔を少し阿呆(あほ)たらしく挙げて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...まるで阿呆鳥(あほうどり)のように飛び廻るのであった...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...疼くのが止(と)まる」「阿呆(あほ)なこと...
火野葦平 「花と龍」
...「から木偶(でく)の坊のくせにな、ちょっとでも何か置いとくと、すぐに盗(と)りくさるのでがすよ! こりゃ、阿房(あほう)、貴様は何しに来たのじゃい? さあ言ってみろ、何の用だか?」ここで彼は暫らく口を噤んだが、それに対してプローシカの方も黙りこくっていた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...広場であほうの役を演(えん)じて...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...二十年もしてから阿呆(あほう)になってひょっこりと出てきた...
柳田国男 「山の人生」
...指令に従わぬとでもいう惧(おそ)れか」「…………」「阿呆(あほう)やな...
吉川英治 「私本太平記」
...阿呆(あほう)もほどにしろ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...そういう時は……阿呆(あほう)!にんじん――言うは易(やす)しさ...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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