...あのうつくしい花ぞのでは...
ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 楠山正雄訳 「雪の女王」
...あの花瓶はいつから空になっているんですか」妙な質問に、家政婦は警戒の色を浮べながら、「あのう、あの花活から花を捨てましたのは昨日の朝のことでございます...
海野十三 「地獄の使者」
...あのう、ゼルコフは、さっきぷんぷんして戻っていきました」大統領「ふん...
海野十三 「諜報中継局」
...三藏は慌てゝ留めて「あのう一寸君に聞いて見たい事があるのだが...
高濱虚子 「俳諧師」
...』『ここははじめてですが――あのう...
谷譲次 「踊る地平線」
...歯切れのよい東京弁の人なのが、興奮しているので一層テキパキした口調になって、何だか知れないが橋寺さんがひどく怒っている、僕はあんな因循姑息(いんじゅんこそく)なお嬢さんは嫌いです、あなた方はあの人を花やかだなんて云われるけれども、何処に花やかなところがあるんです、僕はこの縁談はキッパリお断りしますから今直ぐ先方へその旨(むね)をお伝え下さいと云っている、何でそんなに怒っているのかよく分らないけれども、二人きりでゆっくり話し合って見ようと思って、今日の夕方から一緒に散歩に行くように誘って見た、すると最初に女中が出たので、雪子さんがいらしったら出て下さいと云うと、いますと云って引っこんだきり、どう云う訳かなかなか雪子さんが出て来ない、散々待たして漸(ようよ)う出たには出たけれども、御都合は如何(いかが)ですと云っても、はいあのう、はいあのうを繰り返すばかりで、イエスだかノーだかさっぱり分らない、問い詰めると聴き取れないような細い声で、ちょっと差支えがございますので、………と、やっとそれだけ云って、あとは一と言も云わない、僕も癪(しゃく)に触ったからそれきりプツリ切ってしまった、橋寺さんはそう云って、いったいあのお嬢さんは人を何と思ってるんです、余り馬鹿にしてるじゃありませんかと、かんかんになっている...
谷崎潤一郎 「細雪」
...「もし、もし、………あのう、それから、………これはその時の事情次第でどうでもいいことなんですが、君が直接ナオミにお会いになるようだったら、そして話をする機会があったら、そう云って戴(いただ)きたいんですがね...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...――はあ、その場所ですか、あれはあのう、若草山の山が三つ重なってる、その一番前の山と、その次の山との間のへっこんだ所、――あそこら辺(へん)いったいに、ずっともう一杯に生えてまして、あの山のんは、毎年春に山焼きしますのんで特別おいしいのんです...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...けど、あんまり優しいよって、時によったら張合いないのんで、――」わたし、まだその時までは自分のことは一つも光子さんにいうてなかったのんで、夫と結婚するようになった訳や、それから、あのう、いつやらの恋愛問題や、それについて先生にいろいろ心配して戴(いただ)いたことまで、その時すっくりいうてしまいました...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...あのうちへ会いに来た女性達が揃いも揃って豪華に見えたけど...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...あのうすぐらい階段教室ではじめて先生の講義をきいたときは...
堀辰雄 「二三の追憶」
...そして生活のあのうねうね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...あのう、なには、無事に帰ったんですか?三好 いやあ、会えるまで此処にがんばるんだって、応接の方にズッと居るんですよ...
三好十郎 「好日」
...ええと……(金吾の言葉をきこうと一同がシーンとする)あのう...
三好十郎 「樹氷」
...何処へ行くんだ?金吾 あのう……銀座の方まで行きやす...
三好十郎 「樹氷」
...(と、受けて)ええあんべえは、結構だけど、又来やしたかい?そめ はい、あのう……私は、駒形村、字、鷲山の荒木源次郎の嫁のおかつの伯母で、ズーッと源次郎にかかりうどになっていやす、荒木そめと申します...
三好十郎 「鈴が通る」
...「さあのう...
吉川英治 「私本太平記」
...賀名生(あのう)の行宮(あんぐう)を悲しみの底につき落したのみでなく...
吉川英治 「私本太平記」
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