...間もなく誰かと何かしきりに罵(ののし)り合ってあげくの果てが殴(なぐ)り合いとなり...
相馬泰三 「六月」
...こうして一々数えていったあげくの果ては...
高神覚昇 「般若心経講義」
...あげくの果てに簡単にバラされるなんてのは...
高見順 「いやな感じ」
...……あげくの果てに...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「熊」
...あげくの果てにカードをよく切ってから...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...あげくの果てには...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...そして住むに家なく街にさまよえば、目ざわりになるとて嫌われ、やっかい者だとて冷たい目で見られ、働けば、ヤミ行為だとて追われ、あげくの果ては、ならず者仲間と共に狩られ、捕らえられ、取り調べられ、いやおうなしに収容所へ入れられる...
永井隆 「この子を残して」
...あげくの果てはベルモットを持って来いのコーヒーを沸かせのと...
久生十蘭 「魔都」
...あげくの果てに泉にかがんで...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「死の川」
...あげくの果てには有能な仲間を一人犠牲にまでしてやっと探しあてた土地でありながら...
本庄陸男 「石狩川」
...――手前の店なども一物もなく没収され、あげくの果てに、妻も娘も、暴兵にさらわれてしまったのです」「むむ...
吉川英治 「三国志」
...糧草の欠乏やら、長期の滞陣に士気は倦(う)み、あげくの果てに、雨期をこえてからおびただしい病人が出たりして来たのである...
吉川英治 「三国志」
...しかし、外には兵革に敗れ、内には賢臣みな誅せられ、あげくの果て、世嗣(せいし)の位置をめぐって骨肉たがいに干戈(かんか)をもてあそび、人民は嘆き、兵は怨嗟(えんさ)を放つの有様、天も憎しみ給うか、昨年来、飢餓蝗害(こうがい)の災厄も加わって、いまや昔日の金城湯池(きんじょうとうち)も、帯甲(たいこう)百万も、秋風に見舞われて、明日も知れぬ暗雲の下におののき慄えているところです...
吉川英治 「三国志」
...あげくの果て生辰綱(しょうしんこう)の宝はみな...
吉川英治 「新・水滸伝」
...あげくの果ては、喧嘩腰になって「家探しでも何でもしてみろ」「オオしてみなくて!」と、行くところまで行ってしまった...
吉川英治 「新・水滸伝」
...そうです」「紅葉山下の作事場では、お書物蔵(ぐら)の工事と、西裏御門の壁塗りとで、左官、植木職、土工、大工などははいっておるが、井戸掘りは一名もいないはずだぞ」「そうでさ」と、大工たちは、職方目付の不審に、いい足して、「この井戸掘りめ、他人(ひと)の仕事場へ、きのうも今日もうろつきに来やがって、あげくの果て、大事な曲尺(まがりがね)を泥足で踏ンづけたりなどしやがったから、いきなり頬げたを一つくらわしてやったんです...
吉川英治 「宮本武蔵」
...「おい、どうした」と、少し弾(はず)んだ声で慰問すると、牢番同心は、初めて気がついたように、「あ、東儀様でございますか、今し方まで、加山殿と波越殿が、非常にさがしておいでになりましたが」「えっ、では一度ここへ立ち帰ったのか」「はい、戻るとすぐに、身なりもあのままで、よほどなご急用とみえて、ご両所とも町駕(まちかご)を飛ばしてどこへかお急ぎになりました」「はてな? ……そして唖男の行く先は首尾よく突き止めたようか」「まるで目的(あて)が外(はず)れました」「やつ、逃げ失せたか」「いえ、その唖奴は、ご両所の帰るより前に、ひとりでのこのこと伝馬牢に舞い戻って来て、あげくの果てに、ひとりで牢へはいって澄ましこんでおるのです...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...夫婦生活四年間のあげくの果てと来ていやがる!……忌々しい...
レスコーフ Nikolai Semyonovich Leskov 神西清訳 「真珠の首飾り」
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