...だから、お前は、てっきり死んでしまったものと思って、あきらめていた...
海野十三 「幽霊船の秘密」
...この符号は躄車やなんかじゃないのですわね」奥さんはあきらめ切れない様な顔であった...
江戸川乱歩 「悪霊」
...それで已むなくあきらめて...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「魂の喘ぎ」
...何かあきらめた、底落ちつきに落ちついてゐる感じがする...
太宰治 「津軽」
...あきらめるより他にしかたがなかった...
田中貢太郎 「火傷した神様」
...祖母の業やれは悲しいあきらめであつたが...
種田山頭火 「草木塔」
...猫はあきらめてあまりもがきもしなかったが...
寺田寅彦 「ねずみと猫」
...初手からあきらめた三四郎は...
夏目漱石 「三四郎」
...打って変った妙子の幸福そうな様子でも見せたらすっかりあきらめて帰るかも知れないと思ったからです...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...そのあきらめは空なあきらめではない...
林芙美子 「雨」
...自分の仕事はあきらめて...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...あきらめよう、あきらめよう...
正岡容 「寄席」
...そこでかれはあきらめたというように...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...たべるものは何もなしとあきらめていたところへ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...彼の一時のあきらめとお蝶の安心とが...
吉川英治 「江戸三国志」
...なんで上様(うえさま)が、ただ花生けの花のように、眺めてばかりいらっしゃいましょう)などとそろそろ焚(た)きつけ出しているが、寧子は、良人のこの持ち前を、井戸茶碗(いどぢゃわん)のキズと同じように、(キズに珠――みたいなお人だから仕方がありませぬ)と、あきらめ顔に、笑って見せ、周囲のお世話やき達の口にはなかなか乗らないのであった...
吉川英治 「新書太閤記」
...わ、わたくしはもう、あきらめました...
吉川英治 「新・水滸伝」
...ルパンはもう仕方がないとあきらめたが...
モーリス・ルプラン 菊池寛訳 「奇巌城」
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