...唯(と)見(み)れば一簇(いつそう)の雲(くも)の霏々(ひゝ)として薄(うす)く紅(くれなゐ)なるあり...
泉鏡花 「花間文字」
...霏々(ひひ)として真直に降り下る白雪をオーヴァの上に受けて...
海野十三 「深夜の市長」
...霏々とふる雪にすかして見るとうち重った黒影が四五十...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...其書(しよ)雪の霏々(ひゝ)たるがごとく諸国(しよこく)に降(ふら)さん事我(わ)が筆下(ひつか)に在(あ)りといはれたる書翰(しよかん)...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...細雨霏々午に至つて霽る...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
...梅雨霏々...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...秋霖霏々として歇まざるを幸ひにして遂に一宿す...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...雨霏々たり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...霏々(ひひ)として灰は降り...
中里介山 「大菩薩峠」
...窓の外では霧雨が林の上に霏々(ひひ)として降りつづいていた...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...(四月二十八日)春雨霏々(ひひ)...
正岡子規 「墨汁一滴」
...なおも暴(あら)あらしい風とともに乾いた粉雪が霏々(ひひ)と降りしきっていた...
山本周五郎 「日本婦道記」
...とうとう」燈火をうけて霏々(ひひ)と舞いくるう雪の美しさに...
山本周五郎 「日本婦道記」
...花吹雪の霏々(ひひ)と乱れる中を衝いて...
吉川英治 「剣難女難」
...風を交じえた粉雪なので、霏々(ひひ)と、雪には声があり、まだ凍(い)て乾(かわ)いている地上から逆さに白く煙って翔(か)ける...
吉川英治 「私本太平記」
...霏々(ひひ)たる雪だった...
吉川英治 「新・水滸伝」
...ただ暗い雲の吐く粉雪のけむりに全市は霏々(ひひ)と顫(おのの)いていた...
吉川英治 「日本名婦伝」
...その後――吉野の雪(ゆき)霏々(ひひ)...
吉川英治 「源頼朝」
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