...自己の享樂を追ふために同胞に對する義務を閑却するならば...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...現在の日本を了解することを閑却(かんきゃく)しつつあるようなことはないか...
石川啄木 「弓町より」
...第九輯巻四十九以下は全篇の結末を着けるためであるから勢いダレる気味があって往々閑却されるが...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...汽車にも閑却せられたる碓氷東麓の古驛...
大町桂月 「碓氷峠」
...羽衣滝も閑却すべからず...
大町桂月 「層雲峡より大雪山へ」
...肝心の理科進歩の根底なる研究心の養成はすこぶる閑却せられている...
丘浅次郎 「理科教育の根底」
...目下は比較的閑却されているが...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...そして自分が閑却されてると思って...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...今度は賑(にぎや)かな左右の桟敷(さじき)に対する観察をも決して閑却しなかった...
永井荷風 「すみだ川」
...俳諧と狂歌と浮世絵とは古来わが貴族趣味の芸術が全く閑却していた一方面を拾取(ひろいと)って...
永井荷風 「日和下駄」
...全然閑却(かんきゃく)されてしまった米友...
中里介山 「大菩薩峠」
...このままでは閑却しきれないと見えて...
中里介山 「大菩薩峠」
...植林を閑却しているためであると...
中谷宇吉郎 「北海道開発に消えた八百億円」
...この生とあの生との取捨に忙がしきが故に生と死との最大問題を閑却する...
夏目漱石 「虞美人草」
...閑却(かんきゃく)された幼児の欲望が本能が...
羽仁もと子 「たましいの教育」
...或はゲエテの「タッソオ」に就いて語つて從來閑却されがちであつた公女レオノオレの重要牲を指摘したもの...
堀辰雄 「春日遲々」
...この閑却せられた譜本の中の一冊を...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...数十年来の織田家における元老的地位を閑却(かんきゃく)されて堪るかと思う...
吉川英治 「新書太閤記」
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