...このごろ暫く顔を見せなかったが又どっか荒し廻ってたんじゃねえのか」巡査の跫音が遠ざかるのを待って...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...さらに在来の商人が伝来の風習によってかえって商人道の真髄に遠ざかる憾みあることを感じ...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...これらの環境から遠ざかることを強く厭(いと)ったに違いない...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...虫の声の遠ざかる・家があつて墓があつて草が青くて草の中ゆく私の死のかげ九月七日曇つた空から雨が落ちる...
種田山頭火 「其中日記」
...いたずらに問題の解決から遠ざかるばかりだ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...いつとなし遠ざかることになっていた...
徳田秋声 「仮装人物」
...午後三時においては真より遠ざかる...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...心は互いに遠ざかるものである...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...先生宮内省に入り帝室博物館長に任ぜられてより而後全く文筆に遠ざかるべしとのことなり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...縁側を遠ざかる跫音(あしおと)...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...嵬がだんだん遠ざかると...
堀辰雄 「顏」
...そして何の考えもなしに自分のほんとうに愛しているものから遠ざかるために...
堀辰雄 「聖家族」
...」これ程窮屈な場合であるが一刻でもこの場の雰囲気から遠ざかることが辛い! といふ思ひのたけをふくめて滝は哀れツぽく身悶えました...
牧野信一 「舞踏会余話」
...その間に猴素迅(すばや)く頬嚢に盗品を抛(な)げ込みたちまち籃を遠ざかる...
南方熊楠 「十二支考」
...涌谷さまや松山どのとは遠ざかるばかりなのです...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...湖に遠ざかるに従つて賑やかになつてゐるが...
横光利一 「琵琶湖」
...よけい世間と遠ざかることは意識しながらも...
吉川英治 「新書太閤記」
...現時の禅宗の門に入ることはかえって道元から遠ざかるゆえんである...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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