...或はこの国を逃げ出す途もわかりはしないかと思ひましたから...
芥川龍之介 「河童」
...彼女はもうその家庭から逃げ出すより他はないと思つた...
伊藤野枝 「乞食の名誉」
...逃げ出すようなことがあってはと...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...どうして逃げ出すまいものでもない...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...恐ろしくなると直(すぐ)に戸外へ逃げ出す事が出来るだけ...
谷崎潤一郎 「恐怖」
...大蛇が箱から逃げ出す場面で猿(さる)や熊(くま)の恐怖した顔のクローズアップを見せる...
寺田寅彦 「映画雑感(3[#「3」はローマ数字、1-13-23])」
...一秒時間に十八万六千マイルという驚くべき速度で逃げ出すと...
寺田寅彦 「歳時記新註」
...しかしそのときは……」「どんな風に逃げ出すんです? どうして逃げ出すんです? 兄さんのような考えを持っていたんでは...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...こんなにまで努めても孤児が逃げ出すからには...
永井隆 「この子を残して」
...お前逃げ出す気はないかえ」「弁信さん...
中里介山 「大菩薩峠」
...昨夜二人が逃げ出すと覺(さと)つたお瀧は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...塀(へい)を越して逃げ出す工夫もありません」「?」「でも...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...何か逃げ出す方法がないか探した...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...石垣の隙から蜥蝪が一疋逃げ出すと...
横光利一 「旅愁」
...そこから逃げ出す跫音のうちに...
吉川英治 「大岡越前」
...――子は千早の内にあり、親の自分は寄手にいて、人なみ以上、この大乱の渦中にある身でありながら「どっちへ本腰を入れたらいいのか?」と、迷っている凡将の煩悩(ぼんのう)な訴えにせまられて、その方針を求められるなどは、逃げ出す以外、この老兵学者にも、手がなかったにちがいない...
吉川英治 「私本太平記」
...その隙に天井裏を引ッ剥(ぱ)いで逃げ出すには究竟(くっきょう)だ」とは万吉がうなずいた腹の底...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...アンテナの話をすると逃げ出すんでね...
蘭郁二郎 「脳波操縦士」
便利!手書き漢字入力検索