...夜な/\町へ辻斬りにお出かけなされましたとやら...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...「うむ、町武家と申してな、江戸の流行物(はやりもの)じゃ」「へえ、町武家?」「黒船以来、町人の武家ができた」「えらい騒ぎだそうでございますな、黒船って奴で」「京は、何うじゃ」「京は旦那様、うっかり、夜も歩けやしません」「辻斬りか」「いいえ、辻斬りは、出ませんが、生首に躓(つまず)くんで」先棒が、じっと、益満を見ていたが「旦那あ、何んだな、俺の睨んだところでは、関東の隠密だな」と、云って、首を傾けて「そうでござんしょう」「そう見えるか」「そりゃ、人を見て、飯を食ってるんでござんすから、それくらいのことは、こう睨むと、外れませんよ」「俺も、そうらしいと思った...
直木三十五 「南国太平記」
...いや、その物語によれば、辻取りは、辻斬りや、辻投げの流行せしずっと以前に行われていたはず...
中里介山 「大菩薩峠」
...しかしそれは「辻斬り」という立派な(?)熟語まで出来ている変態流行である...
中里介山 「大菩薩峠」
...舊幕時代は追剥と辻斬りの本場といつてもいゝところだつたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...旧幕時代は追剥と辻斬りの本場といってもいいところだったのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...辻斬りらしいお侍に出会いますと...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...御大老が斬られるわ、あっちでもこっちでも強盗火つけ、押しがりゆすり、人殺し辻斬りと、全体末はどうなるのかなあ?長五 そいつは八卦見にでも聞くがいいや...
三好十郎 「斬られの仙太」
...「辻斬りは浅草の二天門外...
山本周五郎 「へちまの木」
...御成(おな)り小路で辻斬りがあった...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...辻斬りをした刀を...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...辻斬りをしたのが浪人であり...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...これで物別れは飛んだ辻斬りさ」と...
山本笑月 「明治世相百話」
...近ごろやたらにふえたと聞く、火つけ、群盗、辻斬り、残党といったような恐(こわ)らしい人相の者は一人もいないらしい...
吉川英治 「私本太平記」
...辻斬り稼(かせ)ぎの荒事師(あらごとし)――...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...和蘭陀(おらんだ)カルタ辻斬り商売のお十夜孫兵衛(じゅうやまごべえ)...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...おれの辻斬り稼(かせ)ぎをしていることや...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...辻斬り屋の孫兵衛殿が...
吉川英治 「鳴門秘帖」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??