...兎に角大きい競技場に似た人生の中に踏み入るのである...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...僕の語学の素養は彼等の内陣へ踏み入るには勿論浅薄を免れなかつた...
芥川龍之介 「僻見」
...閾を越えて仏蘭西印象派の室に踏み入るに従つて更に確められる...
阿部次郎 「帰来」
...岩間の細徑に踏み入る頃...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...肩いからして剣山の奥深く踏み入る...
太宰治 「お伽草紙」
...それらの役人はこの御次ぎへは猥(みだ)りに一歩も踏み入ることを許されていない...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...そこに踏み入ると...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...森に踏み入るに伴れて...
牧野信一 「繰舟で往く家」
...丹沢山へ踏み入る目的でそろへた山登りの道具を持ち出して囲炉裡のふちに並べてゐた...
牧野信一 「木枯の吹くころ」
...馬の背で踏み入る森林地帯の山奥――苔むした岩々の間を...
牧野信一 「祝福された星の歌」
...間もなく物凄い薄(すすき)の大波が蓬々(ほうほう)と生(お)い繁(しげ)った真に芝居の難所めいた古寺のある荒野に踏み入る筈だ...
牧野信一 「ゼーロン」
...森に踏み入るのであったが...
牧野信一 「ゼーロン」
...「琴をとって浅瀬に踏み入るがよい...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「浅瀬に洗う女」
...船に踏み入るとすぐに...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...その部屋に踏み入る者なら...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...気高(けだか)い艶(えん)な世界へ踏み入る気がした...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...賢者はかかる危険多き隘路に沓(くつ)を踏み入るべからず(キケロ)...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...この雲母(きらら)坂から先は一歩でも女人の踏み入ることは許されない...
吉川英治 「親鸞」
便利!手書き漢字入力検索