...彼等の詩的恋愛は未だに燕子花(かきつばた)のやうに匂やかである...
芥川龍之介 「西方の人」
...ほのぼのと匂やかだった...
大阪圭吉 「動かぬ鯨群」
...彼女の匂やかな胸や露わな頸筋が挑むように絡わり舞っていた...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「頸の上のアンナ」
...もっと匂やかな艶がありはしなかったか? 空気の中にも...
中島敦 「プウルの傍で」
...匂やかな朱唇があるかなしに動いただけで...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「狂人日記」
...白っぽい匂やかな服を着てはいるが...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...何故か苦しそうに匂やかな二つの眉をひそめて声を出すのであった...
宮本百合子 「或る日」
...むしろ匂やかにすがすがしい感じであった...
山本周五郎 「薊」
...すんなりとまるみをもって匂やかにまでなまめかしかった...
山本周五郎 「お繁」
...匂やかな微笑であった...
山本周五郎 「ひとごろし」
...ときどき(千草の匂やかな躰臭を身近に感じて)ふと滝沢の宿を想い...
山本周五郎 「雪の上の霜」
...それは何ともいえず匂やかな...
夢野久作 「髪切虫」
...棚引く雲の匂やかに...
夢野久作 「白髪小僧」
...痛々しいほど匂やかな...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...見知らぬ薄桃色の匂やかな一通の手紙を山国から受けとつた...
横光利一 「火の点いた煙草」
...田川温泉の思い出には少しは匂やかな秘めごともあるにはある...
横光利一 「夜の靴」
...もう今の匂やかなものの通う路は断ち消えて無くなりそうな恐れも覚えて来るのだった...
横光利一 「旅愁」
...前髪の元結(もとゆい)も匂やかに...
吉川英治 「宮本武蔵」
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