...神経衰弱に罹つたエホバのやうに彼等の所謂人間らしい英雄なるものを創造した...
芥川龍之介 「大久保湖州」
...世俗の所謂過失及び刑法の所謂犯罪等と混同すべからず...
石橋忍月 「罪過論」
...早くそれと自分の所謂「死に別れ」をして...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...もう所謂消えない寢雪(ねゆき)だ――を見て...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...身世(しんせい)誰か吾郷の洵美を謂はざる者ある...
宇野浩二 「それからそれ」
...私は所謂純粋の津軽の百姓として生れ...
太宰治 「十五年間」
...所謂(いわゆる)「フルーツ・カクテル」なるものと...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...なぜならデボーリン等自身の所謂弁証法的唯物論が或る意味に於ける欠点を暴露されて来たからである...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...それでも所謂新官僚や国維会がファシズムの新しい形態である限り(尤もこのファシズムがどういうものかは仲々面倒な研究を必要とするが)...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...エレナは所謂(いはゆる)「小さいサロン」にゐた...
ドストエウスキー Fyodor Mikhailovich Dostoevski 森林太郎訳 「鰐」
...當時福澤翁の慶應義塾は校齡方に二十五年を重ねて基礎漸く固く所謂る三田の學風を鼓吹して海内を風靡し...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...家政を口にするハイカラの細君に似たりと謂ふべし...
断膓亭日記巻之四大正九年歳次庚申 「断腸亭日乗」
...謂わば罪が彼らの媒介をするのだ...
新渡戸稲造 「イエスキリストの友誼」
...そしてげにそれのみが私の所謂「音樂」である...
萩原朔太郎 「青猫」
...即ち所謂「韻文」「散文」の差別であって...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...同時に身に付けている所謂女優らしさをはっきり見ていて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...私は昔から所謂文壇ぎらいで...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...会所謂蒙古風横巻沙塵...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
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