...開けて入れば自(おのず)から音なく閉じて彼方(かなた)より顧みれば壁と見紛うばかりなり...
泉鏡花 「活人形」
...なにさまのお屋敷かと見紛うばかりのマブドバ(大邸宅)だった...
高見順 「いやな感じ」
...林泉の女神の彫刻の傍にはいずれが女神と見紛う真っ白な肌も露(あらわ)に...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...見紛うべくもない特色である...
田辺元 「メメント モリ」
...受難の地も決して見紛うようなところではなかった...
コナン・ドイル 三上於莵吉訳 「自転車嬢の危難」
...若いご婦人の受難の地も見紛うところではなく...
三上於菟吉訳 大久保ゆう改訳 「自転車乗りの影」
...獣と見紛うばかりの日焼けた男がぼろをまとって部屋へ上がり込んだのだ...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...茲に方法概念の実践的優位が見紛うことを許さぬように顕われる...
戸坂潤 「科学方法論」
...茲に見紛う余地もなく現われているであろう*...
戸坂潤 「科学方法論」
...一つにはこの増税は見紛う方なき大衆課税である...
戸坂潤 「思想議会たるを知れ」
...それが見紛うべくもなき宇治山田の米友でしたから...
中里介山 「大菩薩峠」
...全く見紛うべくもない七兵衛おやじです...
中里介山 「大菩薩峠」
...綾のようにすかすと見紛う簾ではよくは見えないもどかしさがあった...
室生犀星 「荻吹く歌」
便利!手書き漢字入力検索