...やがて行く手の波の上にぼんやりと雷電峠の突角が現われ出した...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...第三に君は八百屋に行く手数がはぶけたじゃないか...
梅崎春生 「ボロ家の春秋」
...行く手一ぱいの巨大な幻となって...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...やがて行く手に一點の灯のともつてゐるところが見えはじめた...
高濱虚子 「横山」
...行く手も後方もピカピカと...
橘外男 「雷嫌いの話」
...我れにもあらず行く手を見据えていました...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「十時五十分の急行」
...後が明るくなると行く手が暗くなる...
知里真志保 「あの世の入口」
...スウーと動いて行く手をさへぎります...
土田耕平 「海坊主の話」
...時々蛇(へび)が行く手からはい出す...
寺田寅彦 「花物語」
...自分らの行く手に感づかないようにする必要がある...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...もう竹生島の全面が行く手にうっすらと...
中里介山 「大菩薩峠」
...行く手の水が赤黒く濁ってきて...
中島敦 「悟浄出世」
...邪魔者が行く手をさえぎる...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...行く手遥かに明るく何をか見はるかすの思いがした...
正岡容 「小説 圓朝」
...行く手に不可知がなお横たわるかぎり...
柳田国男 「海上の道」
...不意に行く手の大岩に足を踏みかけて...
柳田国男 「山の人生」
...また行く手の方に...
吉川英治 「三国志」
...行く手を見失ったように――そうして広い闇を見まわしていると...
吉川英治 「宮本武蔵」
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