...大膳大夫の両奸蟠踞するがゆゑなり...
太宰治 「右大臣実朝」
...君! もっともっとスピイドを出したまえ!蟠踞(ばんきょ)する丘と玉突台のような牧場と...
谷譲次 「踊る地平線」
...宏壮な彼の邸が蟠踞してから山容水態が悉く一変して了った事を感じました...
谷崎潤一郎 「金色の死」
...荒草の間に蟠踞(ばんきょ)していたところの巨大なる切石のはざまにうずくまって...
中里介山 「大菩薩峠」
...その濃紺の背広の襟(カラー)と短く刈込んだ粗い頭髪との間に蟠踞(ばんきょ)した肉塊――宿主(やどぬし)の眠っている時でも...
中島敦 「狼疾記」
...全国に三百余侯がそれぞれ蟠踞(ばんきょ)して...
中谷宇吉郎 「雪」
...お腹一ぱいに條虫(さなだむし)の大きな奴が蟠踞してしまつてたんだつて――そこまではまじめだが...
長谷川時雨 「夏の夜」
...明治史の裡面に蟠踞(ばんきょ)する浪人界の巨頭じゃないか...
夢野久作 「近世快人伝」
...彼奴が北隣に蟠踞(ばんきょ)していては...
吉川英治 「三国志」
...客は卑下(ひげ)なく大家に蟠踞(ばんきょ)して...
吉川英治 「三国志」
...これは阿波の小松島から勝浦ノ庄へかけて蟠踞(ばんきょ)している岩松経家という豪族にして海賊でもある家の定紋なのである...
吉川英治 「私本太平記」
...秩父(ちちぶ)などの無数の古源氏(ふるげんじ)が蟠踞(ばんきょ)しているところである...
吉川英治 「私本太平記」
...徳川家の蟠踞(ばんきょ)する東海道こそもっとも小太郎山(こたろうざん)に近く...
吉川英治 「神州天馬侠」
...彼が美濃一国に蟠踞(ばんきょ)してから...
吉川英治 「新書太閤記」
...なお蟠踞(ばんきょ)している松永弾正久秀などまで...
吉川英治 「新書太閤記」
...多くが江州(ごうしゅう)と美濃の境に蟠踞(ばんきょ)していた...
吉川英治 「新書太閤記」
...自分たちの蟠踞(ばんきょ)している叡山と...
吉川英治 「親鸞」
...それは将門とはまったく無関係な富士の人穴辺に蟠踞(ばんきょ)している賊が...
吉川英治 「平の将門」
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