...蛤の煙がこの月夜に立とうなら...
泉鏡花 「歌行燈」
...三 赤貝の汁をしぼつて蛤(はまぐり)の貝に受け入れて母の乳汁として塗つた...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...乃ち貝(キサガイ)比売と蛤具(ウムギ)比売とを遣(オコ)せて...
高木敏雄 「比較神話学」
...桑名の夜は暗かつた蛙がコロコロ鳴いてゐた夜更の駅には駅長が綺麗な砂利を敷き詰めたプラットホームに只(ただ)独りランプを持つて立つてゐた桑名の夜は暗かつた蛙がコロコロ泣いてゐた焼蛤貝(やきはまぐり)の桑名とは此処のことかと思つたから駅長さんに訊(たづ)ねたらさうだと云つて笑つてた桑名の夜は暗かつた蛙がコロコロ鳴いてゐた大雨(おほあめ)の...
中原中也 「桑名の駅」
...薄情な劉さん思ひ切つて――悲しいけれど捨てませうベンチの上に青々と月がさしたら泣くでせうわたしの顔を屹度眺めて泣くでせう劉さん劉さんその時のわたしの心はどんなでせう磯の上親恋しがりの子雀よ親が恋しく海へ来たのか海へはいつて蛤に化(な)つて了つた親雀はお前のことはもう忘れてゐるぞ幾ら待つてゐても元の親には逢はれないのだ帰れ...
野口雨情 「都会と田園」
...蛤町(はまぐりちやう)の久七親分がやつて來て...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...大蛤でも調べたのか」「そんなわけぢやありませんがね...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ふと見ると蛤がひとつ水盥からはね出している...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...蛤橋のほうへ行こうとすると...
久生十蘭 「金狼」
...親の前でこそ蛤貝(はまぐりがい)と反身(そっくりかえ)れ...
二葉亭四迷 「浮雲」
...蛤(はまぐり)や海老等の海産物と...
古川緑波 「このたび大阪」
...畑に蛤掘ってもない」と傍らの小木魚叩いて歌いだしてしまうところだった...
正岡容 「小説 圓朝」
...「蛤」「なべ」という順序であるべきのが「なべ」「蛤」と逆になって居るので不思議だとよくよく見るとどうも三枚の障子があちらこちらにたて違えてあるようであった...
正岡子規 「車上の春光」
...鳴雪翁は別に蛤一箇宛を椀に入れて各に配る...
子規 「闇汁圖解」
...邦俗専ら蜃をこの第二義に解し蛤が夢を見るような画を蜃気楼すなわち竜宮と見るが普通だ...
南方熊楠 「十二支考」
...売蛤者(ばいかふしや)の行徳(ぎやうとく)より来ることは...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...蛤を六個だけ選び分けた...
山本周五郎 「青べか物語」
...そこらの枯れ草で有合せの蛤(はまぐり)でも焼いているものとみえ...
吉川英治 「江戸三国志」
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