...薄汚い後の馬車に乗っているのは重吉や彼の従弟(いとこ)だった...
芥川龍之介 「玄鶴山房」
...梅毒患者ばかり押込めておく薄汚い室(しつ)へ追い込もうとした...
押川春浪補 「本州横断 痛快徒歩旅行」
...すると、この薄汚い男は、早くも其の結論をつかむことが出来て、今や夜店に出でて商品を売り研究費の回収と、製品の寿命試験(ライフテスト)をやっているのではあるまいか...
海野十三 「科学者と夜店商人」
...薄汚いベンチにかゝつて...
鈴木三重吉 「赤い鳥」
...すべての容子が、どうしても、薄汚い、剥げ古りたやうな小さい病院のやうに思はれた...
鈴木三重吉 「赤い鳥」
...キチン氏は薄汚い園芸服に破けた麦稈帽(むぎわらぼう)を被(かぶ)つて...
薄田泣菫 「茶話」
...百姓家では薄汚い女房(かみ)さんが...
薄田泣菫 「茶話」
...自分の創作年表とでも称すべき焼け残りの薄汚い手帳のペエジを繰りながら...
太宰治 「十五年間」
...まことに薄汚い納涼の宴を張りました...
太宰治 「人間失格」
...そうして薄汚い身なりの...
太宰治 「恥」
...軍治は蒔の薄汚い立居には以前にも露骨に顔をしかめなどしてゐたのだが...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...咲子はブリキ屋の二階の、薄汚い部屋で、少し酔つてゐるらしい、しかし人の好ささうな父親に抱かれて寝てゐた...
徳田秋声 「チビの魂」
...」四角な薄汚い餉台の前に坐った女へ...
豊島与志雄 「悪夢」
...――五十過ぎの薄汚い婆さん――とお前は言つたやうだが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...大変な薄汚い西洋人が...
野村胡堂 「呪の金剛石」
...辻一作は薄汚いバスケットを一つ提げて...
北條民雄 「道化芝居」
...薄汚い至上法権(しじょうほうけん)代理人とで行った...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...薄汚い一階はひどく嫌な安っぽい煙草の臭いがする...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
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