...しかしもう隅々には薄汚いカンヴァスを露(あらわ)していた...
芥川竜之介 「歯車」
...薄汚い室の中の乱雑(だらしなさ)が一時に目に見える...
石川啄木 「病院の窓」
...片隅に積んだ自分の夜具からは薄汚い古綿が喰(は)み出してる...
石川啄木 「病院の窓」
...神戸から門司まで蘆花君と一緒に薄汚い汽船の三等室に滑り込んだ...
薄田泣菫 「茶話」
...薄汚いだけに哀れもひとしおの熊を脳裏に浮べると...
高見順 「如何なる星の下に」
...薄汚いボロで包んだ湯たんぽ...
高見順 「如何なる星の下に」
...あんな薄汚い婆でも...
太宰治 「嘘」
...田舎の薄汚い老尼でございます...
太宰治 「右大臣実朝」
...謙さんへあんな薄汚いもの寄こさないで下さい...
太宰治 「虚構の春」
...まことに薄汚い納涼の宴を張りました...
太宰治 「人間失格」
...老人と云うと薄汚いもののように思って傍へも寄りつかない...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...しかもその白髪であるべき部分は薄汚い茶褐色を帯びている事であった...
寺田寅彦 「雑記(2[#「2」はローマ数字、1-13-22])」
...頭の上の瓦斯の光は薄汚い鼠色の襟巻を隠す所もなく照らしている...
寺田寅彦 「まじょりか皿」
...薄汚い着物が、庭の中でも、部屋の中でも、目に立った...
直木三十五 「南国太平記」
...最も薄汚い頁(ページ)であつたに相違ないのですが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...大事な椅子に薄汚い子が掛けているのを見ても...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...叔母は薄汚い宿屋に引き籠り...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「玉手箱」
...三晩も薄汚い場所をうろつき...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
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