...女のやうに美しい代りに荒淫も亦甚しいさうである...
芥川龍之介 「結婚難並びに恋愛難」
...われ等の生活せるローマ帝政時代の末期――精神的、霊的のものは悉(ことごと)く影を潜めて、所得顔(ところえがお)に跋扈(ばっこ)するは、ただ酒色と、荒淫と、悪徳と、劣情……若(も)し汝(なんじ)にしてその実情に接触せんか、初めて闇の魔群の、いかに戦慄すべき害毒を人間界に流し得るかを会得したであろう...
W・S・モーゼス William Stainton Moses 浅野和三郎訳 「霊訓」
...声色狗馬(せいしょくくば)、昼夜荒淫、国計民生、念慮に存ずるなし...
田中貢太郎 「続黄梁」
...夫の目を忍びて小説家某と密通し、事の露(あらわ)れんとするや姦婦姦夫倶(とも)に為すところを知らず、人跡断えたる山中の一ツ家に隠れ、荒淫幾日、遂に相抱いて縊死(いし)す...
永井荷風 「桑中喜語」
...荒淫の君主に強いられて斯う成ったのではない...
中島敦 「妖氛録」
...殺生関白の荒淫よりも...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...荒淫無恥な悪獣に献ずるの宴は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...かうして十年をすごして来たとき俺は荒淫逸楽に飽きて来た...
平出修 「畜生道」
...それから古ローマのネロ帝は荒淫傑出だったが...
南方熊楠 「十二支考」
...荒淫の證據のやうな感じがして...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...義理の父と言うのが動物的に荒淫の男であったかもしれない事が考えられる...
三好十郎 「冒した者」
...共に色に溺れ酒に耽(ふけ)る荒淫(こういん)の性(たち)だ...
吉川英治 「三国志」
...荒淫腥食(こういんせいしょく)...
吉川英治 「新書太閤記」
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