...六 草双紙僕の家(うち)の本箱には草双紙(くさぞうし)がいっぱいつまっていた...
芥川龍之介 「追憶」
...お高はその中に手をやって二三冊の草双紙(くさぞうし)のようなものを執(と)った...
田中貢太郎 「春心」
...街路の壁に立てかけた掛枠に草双紙類がずらりと並んでる周囲に...
豊島与志雄 「上海の渋面」
...その後はそこにあったものの外の草双紙もよその家へ行ってよく借りて読んだ...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...かつて私のうちにただ一部あった草双紙はこうして亡き母のお伽(とぎ)に行ってしまった...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...新聞の小説はよめるが仮名の草双紙(くさぞうし)は読めない...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...浄瑠璃と草双紙とに最初の文学的熱情を誘ひ出されたわれ/\には...
永井荷風 「里の今昔」
...老眼鏡の力をたよりにそもそも自分がまだ柳(やなぎ)の風成(かぜなり)なぞと名乗って狂歌川柳(せんりゅう)を口咏(くちずさ)んでいた頃の草双紙(くさぞうし)から最近の随筆『用捨箱(ようしゃばこ)』なぞに至るまで...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...昔(むか)しの草双紙(くさぞうし)にある猫又(ねこまた)に似ていますよ」と勝手な事を言いながら...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...草双紙(くさぞうし)を読んだがためだという事ではあるが...
長谷川時雨 「樋口一葉」
...草双紙とも絵草紙ともいったがそれはともに合巻を指した...
林不忘 「仇討たれ戯作」
...江戸浮世絵や草双紙の挿絵への教養深からざる限り...
正岡容 「大正東京錦絵」
...明治の草双紙の、ざんぎり何とかというような毒婦ものでもひもといたらきっとこういう寄席のしじまは挿絵に見られる)から、それこそ錦絵そっくりの土蔵壁が、仄(ほの)かにくっきりとうかがわれた...
正岡容 「寄席行燈」
...和漢の書籍の間には草双紙類もあって...
柳田国男 「故郷七十年」
...中には謡曲の本だの、草双紙だの、用もないのにひっかかって半日を潰してしまう日も折にはあった...
柳田国男 「故郷七十年」
...側には持ち出した草双紙を...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...草双紙と三味線に...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...その草双紙を元に伏せた...
吉川英治 「八寒道中」
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