...僕はもの心のついたころからこれらの草双紙を愛していた...
芥川龍之介 「追憶」
...草双紙の中にある人物の来歴が分つたものだから...
泉鏡花 「いろ扱ひ」
...毎晩のように草双紙(くさぞうし)を読んで聞かせて下さったのでございます...
太宰治 「葉」
...お高はその中に手をやって二三冊の草双紙(くさぞうし)のようなものを執(と)った...
田中貢太郎 「春心」
...草双紙(くさぞうし)の絵にでもありそうな花園に灯影が青白く映って...
徳田秋声 「黴」
...この草双紙の筋は...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...おちやんは晩に家へきても富公の話ばかりして私が機嫌をとるためにもちだす絵本や草双紙なぞ見むきもしない...
中勘助 「銀の匙」
...浄瑠璃と草双紙とに最初の文学的熱情を誘ひ出されたわれ/\には...
永井荷風 「里の今昔」
...浄瑠璃と草双紙(くさぞうし)とに最初の文学的熱情を誘い出されたわれわれには...
永井荷風 「里の今昔」
...何となく草双紙などに見る※婦らしき心地する女なり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...明治初年の頃に出版された草双紙や綿絵や又は漢文体の雑書であつた...
永井荷風 「虫干」
...其内で私は歴史的に読者の過去を蕩揺(とうよう)する、草双紙とか、薄暗い倉とか、古臭(ふるくさ)い行灯(あんどん)とか、または旧幕時代から連綿とつづいている旧家とか、温泉場とかを第一に挙(あ)げたいと思います...
「木下杢太郎著『唐草表紙』序」
...草双紙に実(み)が入って...
長谷川時雨 「渡りきらぬ橋」
...(他の者に)今の草双紙の読み続きを聞こうぜ...
長谷川伸 「一本刀土俵入 二幕五場」
...二草双紙はもう行き詰まったと言われていた...
林不忘 「仇討たれ戯作」
...江戸浮世絵や草双紙の挿絵への教養深からざる限り...
正岡容 「大正東京錦絵」
...草双紙の絵をながめていた浪路...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...草双紙と三味線に...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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