...今の言葉を若しやお諂辞(せじ)とでも取られたかと思つたのだらう...
石川啄木 「鳥影」
...若しや俺より高く雇つたのぢやないかと云ふ疑ひを惹起したが...
石川啄木 「病院の窓」
...若しや先生は私にだけ證書を後で呉れるのではないかといふ樣な...
石川啄木 「二筋の血」
...若しや「あいつ」ではないかと...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...若しや、奥底の知れぬ不具者が、床の仕掛けをふさいで真実彼女を刺し殺し、獄門に晒したのではないか...
江戸川乱歩 「踊る一寸法師」
...「若しや、その仏像の目がどうかしたのではございませんか」斎藤氏は、妙な顔をして尋ねた...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...「若しや、あれは、賊が文代さんを殺して、巧に人形に見せかけたものではあるまいか」小林少年は、悪夢にうなされているような気がした...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...神経のせいだと打消して見ても、何となく安からぬ思いがするので、若しやと、押入の行李を検べて見たが、例の鼻かけの乃木将軍はその都度別状なく元の所に納まっていた...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...若しやその『お父つぁん』というのが...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...そして、若しやあの声は、一つ身体に連(つなが)り合った男女の、世にも無残な闘争を語るものではないかと、思わずゾッと身をすくめた...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...「若しや?」万田龍之助は立ち止って後ろの方を透(すか)しました...
野村胡堂 「大江戸黄金狂」
...若しやと思つて死骸の近所を探したさうですが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...隣の家の家搜しが氣に入らなきや、家主、五人組に立會つて貰つて――」「そんな、親分」「それぢや訊くが、お隣の孫三郎が、お前と大層眤懇(ぢつこん)だつたといふが、若しや、二千兩といふ金を預けては置かなかつたか」平次は眞つ向から問ひかけました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...若しやハメでも外してはならない――と留意してゐた...
牧野信一 「サクラの花びら」
...若しや気でも狂ふたのではなからうか?「――と...
牧野信一 「ダイアナの馬」
...若しや食ひつかれたら痛からう! と気づいたから...
牧野信一 「ブロンズまで」
...私は直覚的に若しやあの人が「Aさん」と云われて居る人じゃああるまいかと思った...
宮本百合子 「M子」
...新らしい卵を産んだと云うのに朗らかな歌も歌えない鳥類――若しや――人間に飼われ 飛ぶ空もなく卵はあとから盗まれるので彼那 不快な心になったのか?若しそうならば――……ああ...
宮本百合子 「五月の空」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??