...人工物の美しさは自然物にはないと思う...
...あたかも日本画が僅少(きんしょう)の線を以(もっ)て描きて自然物を躍如(やくじょ)たらしむるが如く...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...また自然物を愛してもこれを実行し得るのは無益無害の小区域内のみに限られると考えざるを得ぬゆえ...
丘浅次郎 「いわゆる自然の美と自然の愛」
...実物について自然物を研究する人は「境界なき差別」に絶えず遭遇する...
丘浅次郎 「境界なき差別」
...単にいずれも自然物であるということのほかには...
丘浅次郎 「誤解せられたる生物学」
...自然物を扱ひながら...
丘浅次郎 「固形の論理」
...また自然物は同時に存在して居る同種の物でも一つ/\に変異が有つて...
丘浅次郎 「固形の論理」
...自然物を論理の当て嵌まる様な形の模型に造り改め...
丘浅次郎 「固形の論理」
...然し彫刻にしようとする自然物の中にも彫刻性のあるものとないものとがある...
高村光太郎 「回想録」
...こういう日常的な自然物と人間個人との概念から蒸溜されて出来たものならば(それは歴史科学が多分説明を担当するだろう)...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...「自然物として生きる人間」の行う仕事であるように見える...
戸坂潤 「再び「科学の歴史的社会的制約」に就いて」
...自然物あるいは武器の音響より(弓絃より琴が生まれたように)神に捧ぐる音響...
中井正一 「芸術の人間学的考察」
...即ち蒼天を父とし大地を母とし、総ての自然物は、この天父地母の交会作用によって生成すること、あたかも自分達の交会作用によって、子孫を生成するのと同一だと考えていた...
中山太郎 「穀神としての牛に関する民俗」
...その瞬間からそれのもつてゐた一切の社会的価値は消滅して自然物に帰する...
平林初之輔 「諸家の芸術価値理論の批判」
...ストイシズムは自己のものである諸情念を自己とは関(かか)わりのない自然物の如(ごと)く見ることによって制御するのであるが...
三木清 「人生論ノート」
...アリストテレスがもろもろの自然物の原素に関して述べた意見の方は受け入れるのか...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...精神は物質にはあらずして架空の非科学的な不自然物だと考えたところにあって...
横光利一 「馬車」
...自然において人間が美を感ずるのは人間が自らの内にある美を自然物に投げかけるからである...
和辻哲郎 「『劉生画集及芸術観』について」
...動物学的に類別せられた「人類」は自然物であって...
和辻哲郎 「『劉生画集及芸術観』について」
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