...背の高い割に肉が削(そ)げて...
石川啄木 「鳥影」
...肉体の方でそれを裏切った...
梅崎春生 「日の果て」
...それはサンドウィッチ、ビスケット、チーズ、塩肉、野菜スープの缶詰、それから数種の飲物だった...
海野十三 「地球発狂事件」
...血を啜(すす)り肉を啖(くら)ってもあきたらぬ...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...畳古きにも旅情うごく□樹影雲影猫の死骸が流れてきた・土手草萌えて鼠も行つたり来たりする□水鳥の一羽となつて去る飾窓の牛肉とシクラメンと三月六日曇后雨...
種田山頭火 「行乞記」
...それから獣肉も干し魚もある...
寺田寅彦 「旅日記から(明治四十二年)」
...杉本の顔に皮肉な笑いが上って...
豊島与志雄 「傷痕の背景」
...狸(たぬき)は肉をもらって...
豊島与志雄 「ばかな汽車」
...さうして針(はり)の先(さき)でおつぎの湯(ゆ)から出(で)たばかりで軟(やはら)かく成(な)つた手(て)の肉刺(まめ)をついて汁液(みづ)を出(だ)して其處(そこ)へそれを貼(は)つて遣(や)つた...
長塚節 「土」
...花子は間もなく頬には肉がつき...
中村地平 「悪夢」
...肉体としては到底堪へられよう筈のない事を...
長與善郎 「青銅の基督」
...彼の肉や血に廻る気色(けしき)は一向見えなかった...
夏目漱石 「それから」
...しかし、それは什物、これは肉體...
野上豐一郎 「大戰脱出記」
...ポオタプルにレコードをかけながらおいしい肉片をモオリスさんからほってもらった記憶など...
林芙美子 「美しい犬」
...足の先の掌(たなぞこ)の肉は支那料理で珍重する上等の御馳走だ...
村井弦斎 「食道楽」
...こまぎれでない肉を買ったりする...
山本周五郎 「季節のない街」
...隨分空しく脾肉を歎じてゐるのではないかと考へられる...
吉川英治 「折々の記」
...野獣にもひとしい暴力をふるって、この明朗な処女(おとめ)を本能の餌(え)にして満足を感じたのも彼という人間だし、また枕許(まくらもと)につき切って、精神的にも、肉体的にも、一時人生を失ったその処女の呼吸や脈搏を心配しながら、じっと、厳粛そのもののように硬(こわ)ばっている良心的な人間も、同じ吉岡清十郎なのである...
吉川英治 「宮本武蔵」
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