...誰の前でも怯(お)めず臆せずベロンベロンと掻鳴(かきな)らし...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...貧乏人の娘が汚ない扮装(なり)をして怯(お)めず臆せず平気な顔をしているのを虚栄に俘(とら)われない天真爛漫と解釈したり...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...なんといっても雄弁会口調ながら友人たちの声援と敵側の野次の入りみだれる喧騒にも臆せず...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...臆せずにシルヴァーの顔を見ながら...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...侯爵の顔を臆せずに見た...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...それにしても親戚のことといへば大概のことを記臆せず...
中原中也 「引越し」
...五人はあるんだから大したものでしょう」八五郎はおめず臆せず話を続けるのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...堂助は臆せずに、會場の入口に立つてゐる花聟花嫁の前へ進んで行つて、「いや、おめでたう‥‥」と云つた...
林芙美子 「或る女」
...「東京から、おいでになった方ですね?」「あい」「お京さん?」女は、ちょっと、ためらう表情を示したが、臆せず、妖しい微笑を浮かべて、「そうです」「あたし、玉井マンです...
火野葦平 「花と龍」
...臆せず斯う云つてやらうと決心したのである...
牧野信一 「階段」
...森蔭の古池の辺りへも――臆せず赴き...
牧野信一 「〔モダン紳士十誡〕」
...高いところに臆せずよじのぼって...
山川方夫 「演技の果て」
...「蒲生家のほかに主取りを致す所存はこざいません」靱負は臆せずにそう云った...
山本周五郎 「日本婦道記」
...どの家の前をも臆せずに通った...
山本周五郎 「柳橋物語」
...どうしてお前はあんなことをするのだえ」私はおめず臆せず答えた...
夢野久作 「あやかしの鼓」
...すぐ臆せず立ち上った...
横光利一 「旅愁」
...千鶴子は臆せず矢代を助けていった...
横光利一 「旅愁」
...」千鶴子のくすぐるように云う微笑を久慈は臆せずにやにやして...
横光利一 「旅愁」
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