...於是、彼等は其長紳をき、其大冠を頂き、其管絃を奏で、其詩歌を弄び、沐猴にして冠するの滑稽を演じつつ、しかも彼者自身は揚々として天下の春に謳歌したり...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...「無絃琴」の額もある...
芥川龍之介 「漱石山房の冬」
...絵合せ、御酒宴に打ち興ぜられると共に、このやうな厳たる御決裁もなさいますし、また、御自身は風流をお好みなされても、それを御家臣にやたらにお強ひなさつて、和歌を作る者だけを特に御寵愛なされ、さうして和歌も出来ず絵合せも不調法といふ根つからの武骨者をうとんじなされたかといふと、全くそのやうな依怙の御沙汰はなさらず、たとへば和田左衛門尉義盛さま、このお方こそ鎌倉一の大武骨者、和歌は閉口、絵合せはまつぴら、管絃はうんざり、ほととぎすの声も浮かぬお顔で聞いて、ただ侍所別当のお役目お大事、忠義一徹の御老人でございましたが、将軍家にはこの野暮の和田さまが大の御贔屓で、御父君右大将さま御挙兵以来の至誠の御勇士いまに生き残れる者わづかに義盛、朝光と数へて五指にも足らぬ有様、殊にも元久二年、将軍家御年十四歳の折に、誠忠廉直の畠山父子が時政公の奸策により、むじつの罪にて悲壮の最期をとげられて以来、いよいよこのやうな残存の御老臣を御大切になされ、大野暮の和田さまをもいろいろとおいたはりになつて、この和田左衛門尉さまの居られる前では、和歌のお話などあまりなさらず、もつぱら故右大将家幕府御創設までの御苦心、または義盛さま十数度の合戦の模様など熱心にあれこれとお尋ねになり、左衛門尉さまも白髪のお頭を振つて訥々と当時の有様を言上し、天晴れ御宿老たるのお面目をほどこして御退出なさるのが常のことでございました...
太宰治 「右大臣実朝」
...意あまって、絃響かずだ...
太宰治 「鬱屈禍」
...六絃琴竪琴(たてごと)に合わせて頬に涙を伝わらせながら...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...春琴は日によって機嫌のよい時と悪い時とがあり口やかましく叱言(こごと)を云うのはまだよい方で黙って眉(まゆ)を顰(ひそ)めたまま三の絃(いと)をぴんと強く鳴らしたりまたは佐助一人に三味線を弾かせ可否を云わずにじっと聴いていたりするそんな時こそ佐助は最も泣かされた...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...かすかな空の微光の中に消えて行く絃の音の名残を追うている...
寺田寅彦 「秋の歌」
...三四本の使い古しのヴァイオリンの絃をはった古びた木沓(きぐつ)を持ち...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...三絃のバスヴィオラとが...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...習はずして自然に絃(いと)の調子(てうし)を覚え...
永井荷風 「すみだ川」
...三絃ノ珍々タルハ誕生ヲ祝フ也...
成島柳北 「阿房山賦」
...ゆるめた絃は最も弾(ひ)きにくいのだ...
長谷川時雨 「朱絃舎浜子」
...全く思ひもかけず唐突に起つたイオリンの強い絃の音に...
水野仙子 「輝ける朝」
...十五六から二十近くまでの娘の心と云うものはまるで張りきった絃の様にささやかな物にふれられてもすぐ響き...
宮本百合子 「現今の少女小説について」
...本年中はなお管絃(かんげん)もむせび泣きの声をたてるもののように思召されるお心から...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...つまり公卿たちの催馬楽(さいばら)(歌謡)や管絃だった...
吉川英治 「私本太平記」
...絃(いと)を調べ...
吉川英治 「私本太平記」
...耳を澄ましてからまた――「かすかに聞えて来たでしょう……遊廓の絃歌が」「なるほど...
吉川英治 「宮本武蔵」
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