...筐の中にはいっているのは細いプラティナの指環(ゆびわ)だった...
芥川龍之介 「彼 第二」
...未成稿のまゝ筐底に殘つてゐたやうに思つて...
薄田泣菫 「詩集の後に」
...『花筐肱にかけさせたまふは』とある女院の其山の岨傳ひに下り來るところを想像して見ると哀れにも靜かな景色である...
高濱虚子 「俳諧師」
...そのままで筐底(きょうてい)深くしまって置いて...
中里介山 「大菩薩峠」
...母親の形見の不気味な手筐でした...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...大変な流行になって来た一閑張の手筐(てばこ)...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...命がけで持って来たらしいこの手筐を...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お前さんはどうするつもりなんだい」「私はこの桐の空筐だけ持って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...たぶん手筐を奪い取るために引倒したのでしょう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...朱塗の一閑張の手筐で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...直ぐ來て下さい」「どうしたんだよ」朱塗の手筐(てばこ)は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「皆樣御使の小菊を一枚頂戴いたしたうございます」「――」若葉は默つて手筐(てばこ)の中から一と束(たば)の小菊を取出して...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「夜分はこの袋をどこへ置くのです」「寝間の枕元の手筐(てばこ)の中に入れるが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...二階に据えた樫(かし)の大唐櫃から取り出した桐の手筐の中には...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...父親の手筐から鍵を盗んだのがあの娘に違いないと気が付いたよ」「…………」「兵太郎を殺したのは...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...初の書は猶伊沢氏宗家の筐中に留まり...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...ふかく筐底(きょうてい)に秘めて...
吉川英治 「剣の四君子」
...ここを品よくいえば“いつか筐底(きょうてい)の古反古になん成りけるを――”というわけなんです...
吉川英治 「随筆 新平家」
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