...そしてその筐をひつたくるや否や...
芥川龍之介 「好色」
...アルベエル・サマン伴奏白銀(しろがね)の筐柳(はこやなぎ)...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...死後の筐底(きょうてい)に残った無数の下画や粉本を見ても平素の細心の尋常でなかったのが解る...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...一層筐底(きょうてい)深く蔵していたのであったが...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...愚(おろか)な卒(そつ)が藥筐(くすりいれ)の火藥(くわやく)のやうに...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...そのままで筐底(きょうてい)深くしまって置いて...
中里介山 「大菩薩峠」
...もう一度筐底(きょうてい)から取り出して...
野村胡堂 「楽聖物語」
...決して決して人に見せてはならぬぞ」と臨終の床で渡された小さい手筐(てばこ)があります...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...母親の形見の不気味な手筐でした...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...大變な流行になつて來た一閑張(かんばり)の手筐(てばこ)...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...守隨彦太郎の手筐を取出した手はさすがに顫へました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...父親の手筐(てばこ)から鍵を盜んだのがあの娘に違ひないと氣が付いたよ」「――」「兵三郎を殺したのは...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...満寿子さんの魂代(たましろ)をおさめたれいの鋳金の筐を置き...
久生十蘭 「だいこん」
...おびただしい荷物の筐(はこ)までが...
室生犀星 「花桐」
...楽器の筐(はこ)も砕くるようなる音をせさせ...
森鴎外 「文づかい」
...秋吉見次◇花筐(はながたみ)(シテ)前田利鬯 (シテツレ)山崎友樹...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...黙然と考えこんでいる袁術の眸の前へ――伝国の玉璽の入っている小筐をうやうやしくささげて出した...
吉川英治 「三国志」
...ここを品よくいえば“いつか筐底(きょうてい)の古反古になん成りけるを――”というわけなんです...
吉川英治 「随筆 新平家」
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