...「他所他所(よそよそ)しいのはあなたじゃありませんか」そう知らず知らずいってしまって...
有島武郎 「或る女」
...知らず知らず安心して暢気(のんき)に不勉強致し候次第今更後悔先に立たざる恨有之(うらみこれあり)候...
伊藤左千夫 「師を失いたる吾々」
...その感激は知らず知らずのうちに俗習と偏見の生活に巻き込まれ去ろうとする私を救い出した...
伊藤野枝 「転機」
...わがまゝらしい表情も宛(あたか)もとつてつけた面のやうに知らず知らず練吉の顔に浮ぶのだつた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...一同は知らず知らず...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「見えざる人」
...いつの間にか知らず知らずに...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...闘争においては知らず知らずのうちに...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...やがて夜も明け放れてから知らず知らずまた眠に堕(お)ち...
永井荷風 「西瓜」
...また知らず知らず京橋まで来ると燃えるような燈火(とうか)と押返すような人通りの間から...
永井荷風 「ひかげの花」
...知らず知らず言問(こととい)の岡あたりまで歩いてしまうことが多かったが...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...その上彼女の地位は知らず知らずの間に今の彼女を放慢にした...
夏目漱石 「明暗」
...ときどき変る、着るもんや食べもんの好みは、そないいえば、みんな姉の好きやったもんで、その何日かの間は、知らず知らず、姉になった気ィで行動していたように思われますねん……そうとわかると、本意(ほい)なう死んだ姉が、気の毒でいとしうて、うちなど、どないなってもかめへん、いつまでも離れんといて、思うとおりにうちの身体使(つこ)て、仕残したことをなんなりやったらええ、思うようになりましてん...
久生十蘭 「姦(かしまし)」
...雅語を解せざるがため知らず知らず卑近に流れたるもの...
正岡子規 「俳人蕪村」
...それで知らず知らず...
山本周五郎 「風流太平記」
...その鈴声に伴われて行けば知らず知らずに木曾路に這入ってしまうのである...
吉江喬松 「木曾御嶽の両面」
...味方の中に知らず知らず敵を作ってしまう心なき業(わざ)である...
吉川英治 「三国志」
...知らず知らずそうなっています...
吉川英治 「小説のタネ」
...かれは知らず知らず一心になれた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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