...無際限なただ一つの荒廃――その中に君だけが呼吸を続けている...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...乎(ぼうつ)として目を開(あ)くと、無際限の世界が、唯モウ薄光(うすあかり)の射した淡紅色の世界で、凝(じつ)として居ると遙か/\向ふにポツチリと黒い点、千里の空に鷲が一羽、と思ふと、段々近いて来て、大きくなつて、世界を掩ひ隠す様な翼が、目の前に来てパツと消えた...
石川啄木 「菊池君」
...無際限の世界が唯モウ薄光の射した淡紅色(ときいろ)の世界で...
石川啄木 「菊池君」
...自分の為すべき事は無際限である...
伊藤左千夫 「水害雑録」
...そうすることによってそこにほとんど無際限な変化の自由が生ずるのである...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...――却って「無限」ではなくして「無際限」でなければならないのである...
戸坂潤 「空間概念の分析」
...無際限は有限を含み得るにも関らず之と相容れない無限に直接に結び付くと考えられる...
戸坂潤 「物理的空間の成立まで」
...それが無際限に連る...
豊島与志雄 「恩人」
...無際限の進歩――われいずこまでか登り得ざることあらん――を...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...広い無際限の野に出ていた...
豊島与志雄 「二つの途」
...わたしに対して無際限の減らず口を叩いた...
中里介山 「大菩薩峠」
...無際限にやられるというんじゃ...
久生十蘭 「春雪」
...未組織のものへ、無際限なものへ、永遠のものへ、虚無へむかっての嗜好(しこう)――かれの使命とは正反対の、しかもそれ故にこそ誘惑的な、禁制の嗜好から愛するのである...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...きりのごとく無際限なものの前をそぞろ歩いていた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...伝播する血の衝動と無際限の躍進...
百田宗治 「騒擾の上に」
...自然は無際限なる長さの糸に...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...無際限に擴がつてゐて...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...一層無際限に恐ろしいうつろになるやうに思はれた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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