...町は悦気(たのしげ)な密語(さざめき)に充ちた...
石川啄木 「鳥影」
...窓の下、歳の市の売り出しにて、笑いさざめきが、ここまで聞えてまいります...
太宰治 「虚構の春」
...賑やかに笑いさざめきながら客たちの帰って行く跫音(あしおと)や...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...狂喚と雑踏春の夜のさざめきとの一層狭苦しい街路に溢れたカタルニア街の中でもただ一軒ベナビデスの店だけは...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...六 うぬぼれの一章食卓の雑話、恋のさざめき...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...恋のさざめきは雲であり...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...そうして地に落ちてからも暫(しばら)くは若わかしい心を失わずにあちこちと追いあいさざめきあっている...
中勘助 「島守」
...茶屋の二階に甲走(かんばし)ッた声のさざめきも聞えぬ...
永井荷風 「里の今昔」
...橋や川のさざめきがそこから洩れて来るやうに思へた...
原民喜 「潮干狩」
...忍びやかに笑いさざめきながら...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...リズムのある一種独得なさざめきがきこえてきた...
久生十蘭 「だいこん」
...笑ひさざめきながら袋を中へ引きずり込んだ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...大小無数の水禽(すいきん)のさざめき...
平林初之輔 「動物園の一夜」
...私はその坂の上の方から数人の少女たちが笑いさざめきながら駈(か)け下りるようにして来るのに出遇(であ)った...
堀辰雄 「美しい村」
...(その前を三人が笑いさざめきながら室を出て行く)音楽 (オルゴールの曲...
三好十郎 「樹氷」
...それを見ていて一同の間にも気の良い微笑のさざめき...
三好十郎 「その人を知らず」
...正月の晩なので、家々はみな、早くから戸を卸(おろ)し、あたたかな燈火(ともしび)の下で、歌留多(かるた)をとり合い、笑いさざめき、酒を酌み、餅を焼いていたが、市十郎には、もうそんな人生は、想像にもえがけなかった...
吉川英治 「大岡越前」
...将士の笑いさざめきなどが洩(も)れてくる――家康のいる仮屋は...
吉川英治 「剣の四君子」
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