...彼女の部屋は無一物であり、とてもシンプルだ...
...落ち葉の無一物の枯れ木が、寒々しい雰囲気を醸し出している...
...料理の基本は無一物から作り上げることだ...
...彼の部屋は本当に無一物で、何も飾っていない...
...あなたが今、手元に持っている一切の物は、全て無一物から作られている...
...ほとんど無一物でカシグランに着いた...
石川欣一 「比島投降記」
...殆ど全く無一物である...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...・新菊もほうれん草も咲くままに・草が芽ぶいて来てくれて悪友善友・枇杷が枯れて枇杷が生えてひとりぐらしも・いちにちすわつて風のながれるを・暮れるとすこし肌寒いさくらほろほろ・椿を垣にして咲かせて金持らしく庵中無一物酔うて戻つてさて寝るばかり四月十三日好晴...
種田山頭火 「其中日記」
...折から庵中嚢中無一物なので...
種田山頭火 「其中日記」
...無一物の私たちの身に取りまして...
――モウパンサン―― 辻潤訳 「頸飾り」
...僕は無一物の放浪児ではあるが一面なかなかの幸運児でもあるのである...
辻潤 「ふもれすく」
...無一物になろうかも知れん...
直木三十五 「南国太平記」
...亦全く無一物といふにもあらざる故...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...無一物処昼間はみんな建築材料を集めに出るので...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...「知つてゐる段か、拙者の品だ、――何處で――」「宗方善五郎の殺された部屋の前にありましたよ」「ほう、無一物の紙入が、一人で歩くとは知らなかつた、――がそんなことがあるやうでは默つてゐるわけにも行くまい...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...つら/\思(おも)へば無一物(むいちぶつ)ほど氣樂(きらく)なるはあらざるべし...
樋口一葉 「別れ霜」
...身外無一物、ただ我が金玉の一身あるのみ...
福沢諭吉 「徳育如何」
...無一物になつたので...
牧野信一 「熱い風」
...而して単なる生命の窮極に於いて払ふべき塵も持たざる本来の無一物から...
牧野信一 「月評」
...貸家とか土地とかで生活してゐた彼の父は、無一物になつて、彼が初めて帰つて見ると、蝉の脱け殻のやうな顔つきでぼんやりしてゐた...
牧野信一 「スプリングコート」
...一人息子を無一物に残して世を去った...
水上滝太郎 「九月一日」
...殆(ほとん)ど無一物の上に亭主は無理して酒をのみたがるのには泣かされたとのこと...
宮地嘉六 「老残」
...全然嗜(たしな)みのない本来無一物が...
夢野久作 「お茶の湯満腹談」
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