...死に臨んだ彼は満腔の遺憾をかう云ふ一首に託したさうである...
芥川龍之介 「大久保湖州」
...而して彼は満腔の覇気...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...我我は我我の存在に満腔(まんこう)の呪咀(じゅそ)を加えなければならぬ...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...満腔(まんこう)の不平を抱いて放浪していた時...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...ようやく満腔の憤懣をおさえつつ鉱毒問題の質問演説に立ったのである...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...これ彼が満腔(まんこう)の不平を(の)べたるなり...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...あなた様に向かっては満腔(まんこう)の歓喜を披瀝(ひれき)いたしまする!」彼は立ち上って両手を差し上げると...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...又た満腔の敬意を以て之れを迎へざること能はざりき...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...満腔(まんこう)の詩情を托したその頃の自分は若いものであった...
永井荷風 「深川の唄」
...一字一画に満腔(まんこう)の精神が飛動している...
夏目漱石 「野分」
...私は満腔の恥を強ひられねばならぬであらう――ことほど左様に...
牧野信一 「心象風景」
...果して以何に所理するかはまあ俺に任して置け!」「どうぞ!」と樽野は満腔の依頼をもつて...
牧野信一 「円卓子での話」
...青い青い月の光りのなかに満腔の思いをこめて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...何百何千の女の祟(たた)り記者は私娼公娼の廃絶論に満腔の敬意を払うものである...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...与一に対する満腔の同情がそうさせたのであろう...
夢野久作 「名君忠之」
...満腔の敬意と感謝を捧げる――と慇懃(いんぎん)な答礼を送った...
吉川英治 「三国志」
...信雄はもとより信孝に満腔(まんこう)の不平を抱いている...
吉川英治 「新書太閤記」
...勿論沢庵に満腔の敬意を払っていたに違いないが...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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