...墓の冷気で冷やかになっている彼の顔の上には温かい愛の眼がそそがれ...
レオニード・ニコラエヴィッチ・アンドレーエフ 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...ぽか/\温かい身心で七時出発...
種田山頭火 「行乞記」
...昨日は寒かつたが今日は温かい...
種田山頭火 「行乞記」
...温かい湯の匂(にお)いのする溝際(どぶぎわ)について...
徳田秋声 「足迹」
...そこへ行くと与八さんは――あの人だけはいつも温かい...
中里介山 「大菩薩峠」
...温かいに越したことはない...
中里介山 「大菩薩峠」
...情趣の温かいものである...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...罹災者(りさいしゃ)に対して何の温かい手も差しのべられなかった...
原民喜 「廃墟から」
...彼女はやっと私の温かい存在をそれに感じでもしたかのように...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...早う、温かい着る物と、湯なり、茶なり持って来てくれるがよい」妻女は、和(やわ)らかもののどてらなぞを、誰かが運んで来て、着せかけると、いくらか人心地がついたようであったが、ふと、急に思い出したらしく、あたりを見まわすようにして、「坊はどうしましたでしょう! 坊が、見えませぬが――」「おおそう云えば、庫前の座敷に寝ていたはずの乳母――誰ぞ、そこらで、すがたを見なんだか――」と、広海屋が、訊(たず)ねる...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...それ等の凡ては何とも云へない美しい温かい或るものはいとしさと善良さとを持つて...
室生犀星 「愛の詩集」
...温かい唇がふれたかと思ふと...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...その顔にはこの男に肖(に)もやらぬ温かい愁いがあらわれ...
室生犀星 「荻吹く歌」
...妙見島へ上って枯草の上に仰臥(ね)て微風の温かい陽を身に浴びた...
山本周五郎 「青べか日記」
...由利江のいるところには必ず温かい楽しい雰囲気がついてまわった...
山本周五郎 「落ち梅記」
...ふっくらとしたおもながの顔で絖(きぬ)のようになめらかな、しっとりと白い膚(はだ)をしている、眉は薄墨で描いたような柔毛であるが、それが細いやさしそうな眼とよくうつって、温かい気品と、包むような情味を感じさせた...
山本周五郎 「半之助祝言」
...温かい匂いである...
山本周五郎 「山彦乙女」
...此様(こんな)に温かいのは異例だと此(この)地に七八年案内者(ガイド)をして居る杉山と云ふ日本人が話して居た...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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