...葉子の指先は知らず知らず縮まって没義道(もぎどう)にそれを爪(つめ)も立たんばかり握りつぶした...
有島武郎 「或る女」
...彼は蔓(つる)のやうにからみ付くその手足を没義道(もぎだう)にも他愛なく引き放して...
有島武郎 「An Incident」
...清逸はわざと没義道(もぎどう)に身体を窓の方に激しく振り向けてみた...
有島武郎 「星座」
...何かしら没義道(もぎどう)にふりきることができなかった...
有島武郎 「星座」
...お前はどうしても気が向かないというのだな……」おせいはびくりとして夢のようなところから没義道(もぎどう)にひきもどされた...
有島武郎 「星座」
...またお前たちを没義道(もぎどう)に取りあつかった...
有島武郎 「小さき者へ」
...遊びに来た一学生をちと没義道(もぎどう)に追払ったら...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...彼は如何なる没義道の策略をも実行して閣下の内閣に自由党を盲従せしめたり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...そう没義道(もぎどう)に人を使うということもないと見える...
中里介山 「大菩薩峠」
...「没義道(もぎどう)なことをすると...
中里介山 「大菩薩峠」
...離れるものは没義道(もぎどう)に離れて行く...
夏目漱石 「虞美人草」
...平次もこの上は没義道(もぎどう)に突っ放せそうもありません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あんまり没義道(もぎどう)なことをされると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お六さん」平次は没義道(もぎどう)にクルリと背を見せました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...そうまで没義道(もぎど)なことは得しまい」「話はきいた...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...没義道(もぎどう)に殺された人間の白骨が...
夢野久作 「白くれない」
...元来が没義道(もぎどう)な劉長官だ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...没義道な主人の乱行が我慢ならなくなったのです...
レスコーフ Nikolai Semyonovich Leskov 神西清訳 「かもじの美術家」
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