...その姿の優しいこと、気高いこと、尊いこと、清いこと、この水に向うて立ちますと、人膚(ひとはだ)が背後(うしろ)から皮を透(とお)して透いて見えます位、急にも流れず、淀(よど)みもしませず、浪(なみ)の立つ、瀬というものもござりませぬから、色も、蒼(あお)くも見えず、白くも見えず、緑の淵(ふち)にもなりませず、一様に、真(ほん)の水色というのでござりましょ...
泉鏡花 「伊勢之巻」
...この時くらい美しい気高い心よさをじゅうぶんに味わった事はなかった...
伊藤左千夫 「落穂」
...気高い貴公子のやうなおもざしの青白色のヒヤシンスよ...
大手拓次 「藍色の蟇」
...この水夫は世の中で一ばん優しくてそうして気高い人なのだ...
太宰治 「雪の夜の話」
...気高い鼻筋から唇...
谷崎潤一郎 「少年」
...気高い矜(ほこ)らかな貧しい孤立のうちに暮らしていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...この手の甲こそ気高い暴徒が接唇(くちづけ)をしたその場所だ!或時この手が蒼ざめた...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...どこかにむしろ気高い風を帯びていた...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...陶冶(とうや)されないあの駄々(だだ)っ子(こ)は、あの我儘が近代人だといえばそうとも言われようが、気高い姿体と、ロマンチックな風致をよろこぶ女にも、近代人の特色を持った女がないとは言われない...
長谷川時雨 「松井須磨子」
...一人がなよやかな気高い香(こう)を贈るために女房連に頼み入れば...
室生犀星 「姫たちばな」
...不意の驚(おどろき)と気高い腹立(はらだち)との8645闘っている御様子が...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...Pte non dolet.という・気高い・勇ましい・不朽の・言葉をいうと共に...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...きわめて貴い愛情によってその気高い心をふるい立たせながら...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...あのように気高い忍耐をもってあらゆる艱難辛苦に堪えたのみならず...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...気高い婦人が子を抱いた石の像であります...
柳田國男 「日本の伝説」
...そうして永久に気高いもので御座いました...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...気高い威圧をうけた...
吉川英治 「三国志」
...試みにその気高い動物を波に向かって騎(の)り入れ...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
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