...殆ど全信州を其掌中に収め了れり...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...殊に俺の自分自身に對して享受してゐる嘲笑憤怒輕蔑憎惡の自由は殆んど完全を極めてゐる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...殆ど全く北海道の惡習慣を帶びて來たものであるから...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...彼女は殆(ほとん)ど毎日...
谷崎潤一郎 「細雪」
...その深さは殆ど人の肩を没するばかり...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...だから現代のように――そして現代に至るまでの殆んど凡ての時代がそうだったように――...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...殆んど同時に見たのである...
豊島与志雄 「囚われ」
...さればこの時代に在って上野の風景を記述した詩文雑著のたぐいにして数寄屋町の妓院に説き及ばないものは殆(ほとんど)無い...
永井荷風 「上野」
...その補給の道が魚肥以外には殆んど無かったはずである...
中谷宇吉郎 「稲の一日」
...明治以前まで殆ど全国的に行われた...
中山太郎 「本朝変態葬礼史」
...さうして二三日の間は殆ど人と口を利く元氣もない程の苦痛に囚へられた...
夏目漱石 「「額の男」を讀む」
...警報は殆ど連夜出たが...
原民喜 「壊滅の序曲」
...耳目鼻口(じもくびこう)の官能も殆(ほと)んど中止の姿を呈したるその最中に...
福澤諭吉 「人生の楽事」
...卓子(テエブル)の上の蝋燭の光が殆んど要(い)らぬ位であつた)――彼が大型の昔風な聖書の上の身を屈(かゞ)めて坐り...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...お前とそれを見ていた夏の時分はいつも雲に妨げられて殆ど何も見えやしなかったのさ...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...前の年の暮に芸者になつてからは殆ど口を利く勇気すらありませんでした...
牧野信一 「砂浜」
...殆んど苦労のし通しでした...
松井須磨子 「忘れ難きことども」
...チンとした花嫁姿が一時も早く見たかったため殆ど独断的に定めてしまったと云ってもいいほどである...
宮本百合子 「栄蔵の死」
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