...そして……そんなこわい顔をしないで……」とドクトルは柄にもなく哀訴(あいそ)した...
海野十三 「地球盗難」
...私共のやっている仕事が嘘でない証拠までに撮ったのですよ」ゴリラは柄にもなく揉手(もみで)をせんばかりである...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...或(ある)いは僕はそのとき柄にもなく旅愁に似たセンチメンタルな気持でいたのかも知れないね...
太宰治 「雀」
...職業柄にもなく文学青年的な純良さを持つ貞之助には切り出しよかった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...柄にもなく憐愍(れんびん)の情に似たものを感じていた訳であった...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...柄にもなく興味あるふうを見せながら...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...広く天下に勇士をつのるほかはござるまい」阿部豊後守は人柄にもなく...
野村胡堂 「幻術天魔太郎」
...一「親分、美(い)い新造(しんぞ)が是非逢わしてくれって、来ましたぜ」とガラッ八の八五郎、薄寒い縁にしゃがんで、柄にもなく、お月様の出などを眺めている銭形の平次に声を掛けました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...稼業(しょうばい)柄にもなく...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...柄にもなく脈などを取りました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...又柄にもなくお説教になつたか」平次はさう言つて蟠(わだかま)りもなく笑ふのでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...惡戯にしても質(たち)が惡過ぎるぜ――詳(くは)しく話してくれないか」八五郎は柄にもなく分別臭い顏を出します...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...師匠を殺したのは」小三郎は、柄にもなく、タガが弛(ゆる)んだやうに、ガタガタしてゐるのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...柄にもなく変な野心をおこすのだ! まつたく...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...そんなに笑はれたりするのを思ふと何だか俺も柄にもなく寂しくなつてしまつてね...
牧野信一 「奇友往来」
...とても! それとも島田は柄にもなく御勉強か?」「無論勉強だよ...
牧野信一 「渚」
...あまり好きなので柄にもなく左の拙吟を試みてみたが...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...柄にもなく泡盛なんか喰(くら)いやがって……」「フッ! 臭せェ!」誰かの上に吐いたのだ...
宮本百合子 「刻々」
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