...或(ある)いは僕はそのとき柄にもなく旅愁に似たセンチメンタルな気持でいたのかも知れないね...
太宰治 「雀」
...職業柄にもなく文学青年的な純良さを持つ貞之助には切り出しよかった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...柄にもなく憐愍(れんびん)の情に似たものを感じていた訳であった...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...――柄にもなく少々センチになる...
種田山頭火 「行乞記」
...柄にもなく遠慮して...
種田山頭火 「其中日記」
...柄にもなく興味あるふうを見せながら...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...場所柄にもなくつい酒となったような有様です...
豊島与志雄 「春」
...船頭の三吉は、稼業柄にもなく、水に落ちて死んだといふだけのことですが、野幇間(のだいこ)の七平の死骸には、背中(せなか)から突いた傷が一つ、水に晒(さら)されて、凄まじい口を開いて居ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...柄にもなく揉手などをしているのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...柄にもなく膝小僧を揃へて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...山木があまり柄にもなく大きな仕事をするのでハラハラしていましたが...
久生十蘭 「魔都」
...柄にもなく変な野心をおこすのだ! まつたく...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...柄にもなく赤い顔をして部屋の隅の鎧櫃を指差した...
牧野信一 「鬼の門」
...そんなに笑はれたりするのを思ふと何だか俺も柄にもなく寂しくなつてしまつてね...
牧野信一 「奇友往来」
...お八重ちゃん」柄にもなく顔中を真っ赤にして圓太郎は...
正岡容 「圓太郎馬車」
...柄にもなく神妙な顔をして寂しくはしごの下の早い(こおろぎ)に聴き入っていた...
正岡容 「小説 圓朝」
...柄にもなく経験のとびとびや...
山本実彦 「十五年」
...なアにね、ここの二階から眺められる住吉の高燈籠や澪木(みおつくし)など、えもいわれぬ景色なので、柄にもなく、歌の一つも詠(よ)んでやろうかと思ッてさ」「ほほほほ...
吉川英治 「私本太平記」
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