...そして……そんなこわい顔をしないで……」とドクトルは柄にもなく哀訴(あいそ)した...
海野十三 「地球盗難」
...職業柄にもなく文学青年的な純良さを持つ貞之助には切り出しよかった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...柄にもなく憐愍(れんびん)の情に似たものを感じていた訳であった...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...――柄にもなく少々センチになる...
種田山頭火 「行乞記」
...柄にもなく遠慮して...
種田山頭火 「其中日記」
...柄にもなく冷たくせねば拒みようもない...
三上於菟吉訳 大久保ゆう改訳 「自転車乗りの影」
...柄にもなく大仰なことを言ってしまったことが...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...場所柄にもなくつい酒となったような有様です...
豊島与志雄 「春」
...柄にもなくとぐろを巻いて草双紙を見ていた子分は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...惡戯にしても質(たち)が惡過ぎるぜ――詳(くは)しく話してくれないか」八五郎は柄にもなく分別臭い顏を出します...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...僕は自分の柄にもなく...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...柄にもなく色染めの皮足袋などをはいているところからおすと...
久生十蘭 「ひどい煙」
...そんなに笑はれたりするのを思ふと何だか俺も柄にもなく寂しくなつてしまつてね...
牧野信一 「奇友往来」
...あまり好きなので柄にもなく左の拙吟を試みてみたが...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...柄にもなく神妙な顔をして寂しくはしごの下の早い(こおろぎ)に聴き入っていた...
正岡容 「小説 圓朝」
...柄にもなく優しい苦労をおぼえて...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...柄にもなく経験のとびとびや...
山本実彦 「十五年」
...柄にもなく旅愁を覺え...
若山牧水 「梅雨紀行」
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