...切れ切れな言葉で葉子と最後の妥協を結ぼうとする病床の母――その顔は葉子の幻想を断ち切るほどの強さで現われ出た...
有島武郎 「或る女」
...それ等のすべてを同時に断ち切るというようなことをして後悔をするようなことは...
伊藤野枝 「「別居」について」
...彼らを縛ってる鎖を断ち切るために...
高見順 「いやな感じ」
...この醜い関係をいかにしても断ち切ることができなくなってくるのです...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...やっぱり西洋人にしても過去のきずなを余りに判然と断ち切るのが恐ろしいんじゃないのかな」「どうしようと君の勝手だが...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...たとえば月を断ち切る雲が...
寺田寅彦 「映画芸術」
...勝手にそうしたかもしれないんだ」とわたしは断ち切るようにいった...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...金なんか持っていないよ!」と彼は断ち切るようにいって...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...断ち切るようにこういった...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...それをぶつりと断ち切るような気持で...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...鎖を二つ断ち切るんだが...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...私の心をここにつなぎとめ釘(くぎ)付けにしこびりつかせてる綱を断ち切ることと...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...峰が一つ開けると忽然(こつねん)として砦(とりで)のような山が行手を断ち切るように眼の前に現われる...
中里介山 「大菩薩峠」
...その関係を断ち切る勇気がなかった...
林芙美子 「河沙魚」
...ついに私の生命の糸を断ち切ることを喜ぶその瞬間まで...
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン Ludwig van Beethoven、ロマン・ロラン Romain Rolland 片山敏彦訳 「ベートーヴェンの生涯」
...おれはふと思ふおれたちこそ苦闘する中国の兄弟に送られた××(1)の×(2)軍国境を越えて共に暴圧の鎖を断ち切る自由の戦士!いま丘を越え海を越えて武器を携え急×(3)に赴くおれたちではないかとけたゝましく響く喇叭の音におれはふと我に返る(……蒋介石ごときは問題ではない(わが敵はただ第十九路軍……砂風の吹き荒れる営庭で...
槇村浩 「出征」
...確実に禍(わざわい)の根を断ち切るときだ...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...自身の縄目を断ち切ると...
吉川英治 「三国志」
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