...葉子は機敏にちょっとゆるんだ倉地の手をすりぬけた...
有島武郎 「或る女」
...過敏な神経と、強烈な想像力を享けて生れた彼が、其の少年時代を、精神的に淋しい環境に育てられ、青年時代には物質的にドン底生活を強ゐられるに到って、ますます現実生活の難渋から逃れて、空想の国に慰安を求めやうとし、次第に霊的の方面、怪奇の世界に対して特別の興味を覚えるやうになったといふのは、全く自然だらうと思はれます...
稲垣巖 「父八雲を語る」
...豪傑とすると神経過敏であった...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...猿のように敏捷で...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...私はむしろ敏子が怪しいと睨(にら)んでいた...
谷崎潤一郎 「鍵」
...猪野は小さい時分から、米の大問屋へ奉公にやられ、機敏に立ち働き、主人の信用を得ていたが、主人が亡くなり妻の代になってから、店を一手に切りまわしていたところから、今までの信用を逆に利用し、盛んに空取引(からとりひき)の手を拡(ひろ)めて、幾年かの間に大きな穴をあけ、さしも大身代の主家を破産の悲運に陥(おとしい)れたものであった...
徳田秋声 「縮図」
...広大精巧な設計や端整さなどの美に当時あまり敏感でなかったクリストフを...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...私は洪正敏との面会の模様を聞きたかった...
豊島与志雄 「秦の出発」
...敏子も何だか気がかりらしい様子をしていた...
豊島与志雄 「裸木」
...人間の眼が恐ろしく敏感であるからだと言っておけば...
中谷宇吉郎 「南画を描く話」
...そうして半ば彼の過敏な神経を悲しんだ...
夏目漱石 「行人」
...視感の鋭敏な代助にはそれが善く分った...
夏目漱石 「それから」
...斬られてしまえ」身体が敏捷なのと...
火野葦平 「花と龍」
...こんなふうに世間の注意が鋭敏に正しい方面に向けられたことにきっと恐怖の念を起したにちがいない...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「マリー・ロジェエの怪事件」
...――――(その歌の中に)第2回金吾壮六春子勝介敦子敏行鶴(音楽)壮六 (ポキポキと枯小枝を踏んで崖道からあがって来ながら)おい...
三好十郎 「樹氷」
...敏行さんという方には...
三好十郎 「樹氷」
...返歌の慧敏(けいびん)なるものが永く異性の愛好を繋(つな)いだことを述べている...
柳田国男 「木綿以前の事」
...定雄の横へ敏子、清と並んで、定雄の姉が彼の次男を抱いている傍へ千枝子が坐った...
横光利一 「比叡」
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