...唯意識の表面を掠めるのみで...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...斷々(きれ/″\)な事が雜然(ごつちや)になつて心を掠める...
石川啄木 「菊池君」
...上に立つ人の鬢(びん)を掠める...
石川啄木 「鳥影」
...チラリと心を掠める...
石川啄木 「天鵞絨」
...頭を掠める旅の印象を追っていると...
上村松園 「中支遊記」
...輝きのないそして見るからに毒々しい光がどんよりと浪と雲の上を掠めるのであつた...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...飛行機がまうへを掠める...
種田山頭火 「旅日記」
...路傍の百姓家の裸蝋燭が逸早く掠めるやうにして通つて行つたりした...
田山録弥 「百日紅」
...杜宇(ほとゝぎす)が人を掠めるやうにして鳴いた...
田山録弥 「スケツチ」
...彼の心をふと掠めることがあった...
豊島与志雄 「子を奪う」
...苦しい視界を掠める...
中村地平 「悪夢」
...掠めるやうな当惑の色を眼にたゞよはせてゐた...
林芙美子 「瀑布」
...こやつこそ財宝を掠めるために人間の姿に化けた悪魔で...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...ぼんやりと、耳を掠める風聞...
宮本百合子 「アワァビット」
...ちらりちらりと視野を掠める...
宮本百合子 「伊太利亜の古陶」
...その鈍く光る面をチラリと自分の横顔が掠める...
宮本百合子 「顔を語る」
...若干の金をも眼に立つところに置いてただで掠める野のものでない証左としていた...
室生犀星 「津の国人」
...地を掠めるやうにして...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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