...――こういう土壇場にいよいよなってしまうと糞度胸の据わるのがまた吾輩の特性でもあった...
海野十三 「深夜の市長」
...チルナウエルはいつか文士卓(たく)の隅に据わることを許されていたのである...
ダウィット Jacob Julius David 森鴎外訳 「世界漫遊」
...そこのお神に据わる時のある自分をも...
徳田秋声 「爛」
...膳が据わると跡から飯を入れた飯櫃が出る...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...声目(こえめ)を見る中盆(なかぼん)の目が据わる...
中里介山 「大菩薩峠」
...鼓(つづみ)の胴の恰形(かっこう)に似た平たい底が畳へ据わるように出来ていた...
夏目漱石 「道草」
...眼なんか据えたりしてさ」「眼も据わるだろうよ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...葉巻を噛んでマテスン氏の前に据わる...
牧逸馬 「土から手が」
...行(い)きなりお尻をくるっとまくって据わるのですもの...
森鴎外 「雁」
...床の間の前へ行って据わると...
森鴎外 「独身」
...石田が役所から帰って机の前に据わると...
森鴎外 「鶏」
...玉ちやんは行儀好く膳の前に据わる...
森鴎外 「半日」
...居据わることが出来ないから為方(しかた)がありません...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...これまでは御隠居と若い主人とが上(かみ)に据わる...
森鴎外 「蛇」
...そしていざとなれば沖人足などという者も度胸の据わるものだと感心したよ」「みんな三四代も太橋の飯を食っている者たちですからね...
山本周五郎 「新潮記」
...しかしいちど本音を吐いてしまえば人間案外に胆が据わる...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...万一それが御校の校庭に据わるような場合に...
夢野久作 「少女地獄」
...他の人々より据わる場所が廣いので...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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