...ふと振向くと、すぐうしろ十間ばかりの所に、丁度一つの建物をお出ましになった貴賓の一行が、しずしずと進んで来られるのと、パッタリ顔を合わせてしまった...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...諸戸屋敷の客人かな?」老人は私が振向くのを待っていた様に話しかけた...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...其方(そつち)を振向くと...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...呼ばれて振向くところを...
豊島与志雄 「女と帽子」
...」彼女が立止ったのに驚いて振向くと...
豊島与志雄 「香奠」
...奉行は振向くと「さ...
直木三十五 「大岡越前の独立」
...「七梃だっ、急ぎ」と、いう声がしたので、振向くと、侍が七人、怒鳴っていた...
直木三十五 「南国太平記」
...そして彼が突然振向くと...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...振向くとグルゥバッハ夫人はまだ泣いていた...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...先刻飲込んだニッコリを改めて顔へ現わして其方(そなた)を振向く...
二葉亭四迷 「浮雲」
...文三が覚えず立止りて後方(うしろ)を振向く途端に...
二葉亭四迷 「浮雲」
...まはりの見物人すら誰の発声かなどと振向く隙もない悠然たるものです...
牧野信一 「早春のひところ」
...あっちの角を曲ってしまうまでにこちら振向くかと思っていたら...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...党員等は三人を無視して、今度は五人とも稲田へ踏込みかける)仙太 待った! お前さん等、田へ踏ん込んではいけねえ!(その声に、二、三人が振向くが、これも無視して、稲の中にバラバラと入りかける)やい、待てといったら待たねえか! (初めて、筑波で賭場を荒した頃の仙太郎の調子がでてくる...
三好十郎 「斬られの仙太」
...仙太 ……?(立止り振向くが加多が何とも言い継がないので...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...『なんだ』用をすまして、振向くと、赤合羽を着た男が、状箱を首にひっかけて、『この御屋敷に、田崎草雲という先生がお住いでございましょうか』『ム、俺たちも今、先生をお訪ねして帰って来た所だ』『どちらで?』『その正門を入る』と、安田が、指をさして、『――入ったら、右について、お長屋へかかると、一番東外れにある二階家だ』『有難うぞんじます』と、男は、飛ぶように、急いで行った...
吉川英治 「田崎草雲とその子」
...それへ振向くと共に...
吉川英治 「宮本武蔵」
...振向くと見馴れた富士の姿も沼津あたりとは違つて距離も近く高さも高く仰がるゝのであつた...
若山牧水 「樹木とその葉」
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