...見向くでもなければ一語を交すでもない...
石川啄木 「病院の窓」
...お吉の顔が自分等の方に向くと...
石川啄木 「天鵞絨」
...決してスキーが下を向かないで山の方を向く...
板倉勝宣 「五色温泉スキー日記」
...この人波に飛び込むとわけも無く歩いて行ける自ら足がどこかへ向く不思議なやうに道が誘つてくれる...
千家元麿 「自分は見た」
...美術学校の教官として実地見学に出向くのでありますから...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...僕は新宿の駅前で、肩をたたかれ、振り向くと、れいの林先生の橋田氏が微醺(びくん)を帯びて笑って立っている...
太宰治 「眉山」
...その人がふり向くと...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「かき」
...彼女が口を利く時にはきっとその方へ振り向くのであった...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...小太郎は、小半町余り、行っていたが、走り寄る足音に、振向くと、一人の男が、鋸を構えて「待てっ、おいっ」その後方からも、得物をもった若い者が、走って来ていた...
直木三十五 「南国太平記」
...「誰か、参ったかの」赤山が、襖の方へ、振向くと、襖も開けないで、誰かが「篤之助様が、又、お亡くなりになりましたぞ...
直木三十五 「南国太平記」
...振向くと床の間の壁には石版摺の彩色した大きな田園の風景畫が掛けてある...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...その騒ぎの方へ出向くことを躊躇(ちゅうちょ)しました...
中里介山 「大菩薩峠」
...思わずそちらを振向くと...
中里介山 「大菩薩峠」
...誰かの手が――彼は振向く暇もなかった――背後から襟首(えりくび)をつかんだ...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...いや元日朝の二時頃だったんで」幸田は座敷の方へ振向くと...
久生十蘭 「魔都」
...それが私の方に向くと...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...輝やく首環、仰向く唇、足の中へ辷(すべ)る足...
横光利一 「上海」
...武蔵が室内から振向くと...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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