...僕の指さきに籠(こ)めた僅かばかりの力で...
海野十三 「鍵から抜け出した女」
...これを見よ」博士は、そういって、前の計器盤の下についている押ボタンの一つを、指さきで押した...
海野十三 「火星兵団」
...帆村荘六が指さきに紐をひっかけて...
海野十三 「地獄の使者」
...指さきで涙をちょっとおさえて...
海野十三 「爆薬の花籠」
...まず指さきをボタンにあてておいて...
江戸川乱歩 「大金塊」
...私はかろく指さきでその赤とんぼの羽に触ってみた...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...そしてきゃしゃな指さきに露の滴るような花束をとり上げて...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...指さきでそつとこの愛の犠牲者達を持ち上げようとした...
薄田泣菫 「独楽園」
...覚束(おぼつか)ない指さきで細工物にいそしむ...
谷譲次 「踊る地平線」
...お前は指さきで無造作に僕の歯をくるりと撫でた...
原民喜 「心願の国」
...人類は悪魔の意思にゆだねられその指さきによって破滅するのだろうか...
原民喜 「ヒロシマの声」
......
三好達治 「駱駝の瘤にまたがつて」
...その指さきと鏡台とを見つめていたが...
室生犀星 「音楽時計」
...ひまさえあれば蒼白い指さきを折って...
室生犀星 「蛾」
...指さきなどがぶるぶるして来るのであった...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...指さきで丁寧に撮みとっていられる...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...寧子の指さきからササササと掻き立てられている...
吉川英治 「新書太閤記」
...帆ばしらの下に、立て膝をして、もう逃げられないと覚悟をきめた眼に、誰のとも知れない、かます莨入(たばこい)れを見出すと、それを、指さきで寄せて、すぱりと、のどかな顔をして燻(くゆ)らしはじめた...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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