...一般に日本人に欠けてゐる個性の持ち味といふやうなものがあつた...
有島武郎 「骨」
...般若のもつ持ち味が出ませぬから...
高神覚昇 「般若心経講義」
...なかなか俳句のもつ持ち味を...
高神覚昇 「般若心経講義」
...そのほんとうの持ち味は半分以上失われていると思われる...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...一つの語尾にも「斯波」と云う家の持ち味がこびり着いていないものはないのに...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...ことしのにはまたこの人の持ち味の自然さが復活しかけて来たようである...
寺田寅彦 「昭和二年の二科会と美術院」
...ごんごでさあ」このごろめっきり噺の上にも可笑しい持ち味を見せてきている萬朝が...
正岡容 「小説 圓朝」
...持ち味のおかしさにも...
正岡容 「随筆 寄席囃子」
...いわゆる寄席でもこの人の持ち味は出ず...
正岡容 「随筆 寄席囃子」
...それぞれ自分の容姿をある持ち味で活かす頭はもっているといえようが...
宮本百合子 「映画女優の知性」
...外国でも女優はまだ持ち味を肉体の特長とともに一般的な女的性格の上に投げかけている程度に止っており...
宮本百合子 「映画の恋愛」
...藤村の文章の独特な持ち味である一種の思い入れを結果しているのである...
宮本百合子 「鴎外・漱石・藤村など」
...イリーンの持ち味をそこなって居ります...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...持ち味の魅力に引きずられながら...
夢野久作 「江戸川乱歩氏に対する私の感想」
...引き締めている同君独特の持ち味に到っては...
夢野久作 「挿絵と闘った話」
...その人間の個性……すなわち芸力や持ち味が如何に発揮されるかを見て喜ぶという傾向になる...
夢野久作 「能とは何か」
...持ち味、たまらない触感と重みである...
吉川英治 「新・水滸伝」
...おびただしく持ち味の漢学を駆使するので総じてごついという感によくつきあたる...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
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