...苔香園(たいこうえん)の表門からそっと家を抜け出る誘惑に打ち勝った...
有島武郎 「或る女」
...心を不安境外へ抜け出ることはどうしても出来ない...
伊藤左千夫 「大雨の前日」
...何人(なんびと)といえども片盤坑から抜け出る事は出来ない...
大阪圭吉 「坑鬼」
...絶対に抜け出ることの出来ない坑内から抜け出した...
大阪圭吉 「坑鬼」
...やがてはその習字臭を超脱した自己の字にまで抜け出る事だろうと考えてみずから慰めるのが常である...
高村光太郎 「書について」
...僕がするうっと彼の把握から抜け出ると...
コナン・ドイル 三上於莵吉訳 「空家の冒険」
...吾々の社会心理学――イデオロギー論――にまで抜け出ることが出来るだろう...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...そういう不充分な段階から抜け出ることを欲せずあくまでその段階に固執する場合に...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...又却ってこの平均値を抜け出る処にこそ恰も卓越した常識が横たわると考えられる...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...あと言えばさと鞘(さや)を抜け出るばかりに置いてあるのが...
中里介山 「大菩薩峠」
...緩く挾んでおけば抜け出るし...
中谷宇吉郎 「科学は役に立つか」
...やつと抜け出る事が出来た...
林芙美子 「瀑布」
...抜け出ることが出来ないといふよりも...
北條民雄 「柊の垣のうちから」
...まはり道をして、森を抜け出る...
牧野信一 「駆ける朝」
...盗みの道から抜け出ることの出来ない彼女は...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...わたしみずからが容易に自分の霊魂の執拗さから抜け出ることができないからである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...苦悶から抜け出るまでの...
吉川英治 「大岡越前」
...抜け出るように色白な秀でた額(ひたい)つきをした...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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