...羊飼のわらんべが行き方知れずになつた折から...
芥川龍之介 「きりしとほろ上人伝」
...折からの朝日を受けて桜色というか薔薇色というか...
石川欣一 「可愛い山」
...折からの蒼空(あおぞら)に...
泉鏡花 「婦系図」
...荒海を切って影を顕(あらわ)すのは暴風雨(あらし)の折から...
泉鏡花 「海神別荘」
...折からの微風に下腹を小さく震わせながら...
大阪圭吉 「デパートの絞刑吏」
...折から降りだした雨のなかをホイホイと掛声しつつ敷石を飛んで...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...そんな風説が立っていた折からで...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...折から、此方(こなた)を指(さ)して近づく人の跫音(あしおと)に、横笛手早く文を藏(をさ)め、涙を拭ふ隙(ひま)もなく、忍びやかに、『横笛樣、まだ御寢(ぎよしん)ならずや』と言ひつゝ部屋(へや)の障子徐(しづか)に開きて入り來りしは、冷泉(れいぜい)と呼ぶ老女なりけり...
高山樗牛 「瀧口入道」
...折から近所の子供を得意にする粟餅屋(あわもちや)の爺(じじ)がカラカラカラと杵(きね)をならして来る向うの横町(よこちょう)の方(ほう)へと遠(とおざ)かった...
永井荷風 「すみだ川」
...折から通り合わせる人もなければ...
中里介山 「大菩薩峠」
...折から、鐘楼の段々を、取り乱した姿で、美しい桜子が駆け登って来たのです...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...――折から関所の方にあがる喊(とき)の声...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...否応なく趣味と人生観の低下を余儀なくされてゐる折から...
牧野信一 「坂口安吾君の『黒谷村』を読む」
...創作活動旺盛化の課題がわれらの前にあった折から...
宮本百合子 「一連の非プロレタリア的作品」
...折から赤坊又泣き出したので...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...折から月が雲に入ったのを幸い...
山本周五郎 「風流太平記」
...朝門を出御ある折から...
吉川英治 「三国志」
...その折から、笙歌(しょうか)に耳を傾けていた殿上殿下の人々は、驚いて彼を、殿庭の外へ、引ずり出そうとしたために、文覚は数名の者を殺傷したというのである...
吉川英治 「源頼朝」
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