...唯此一点の霊火を以て全心を把持する故たらずとせむや...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...見る見る葉子の把持(はじ)から離れて...
有島武郎 「或る女」
...「国民としての良心の把持において」資本家と従業員の間には超ゆべからざるみぞのあることを...
伊丹万作 「思い」
...もし彼女が本当に強くその意識を何時も把持し...
伊藤野枝 「乞食の名誉」
...宗教的には仏教の空観を把持し...
種田山頭火 「其中日記」
...今日の認識をしつかり把持せよ...
種田山頭火 「松山日記」
...さうしてつらい報酬的な瞋恚に何遍も何遍も燃え上つたればこそその一心の把持といふ言葉が出て來たのだ……...
田山花袋 「道綱の母」
...これはまた吾人(ごじん)が個々の印象を把持(はじ)する記憶の能力の薄弱なためとも言われよう...
寺田寅彦 「春六題」
...大宰相の特質たる一「忍」字と一「信」字を把持したるに相違なしといえども...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...彼のうちには恐ろしく力強い彼一人の把持する世界が...
豊島与志雄 「運命のままに」
...依然として一は通俗的に一は専門的なる本来の面目を把持(はじ)して長く雑誌界に覇をとなへ得たり...
永井荷風 「書かでもの記」
...58号の電車で女郎買に行つた男が梅毒になつた彼は12の如き沈黙の男であつたに腕 々 々交通巡査には煩悶はないのか自殺せぬ自殺の体験者は障子に手を突込んで裏側からみてゐましたアカデミッシャンは予想の把持者なのに……今日天からウヅラ豆が畠の上に落ちてゐました...
中原中也 「(58号の電車で女郎買に行つた男が)」
...線香花火を一把持って行ってその器械を使わせてもらったら...
中谷宇吉郎 「線香花火」
...お勢は手に一部の女学雑誌を把持(も)ち...
二葉亭四迷 「浮雲」
...尚斯くの如き靜寂至純なる藝術境を把持して...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...マルクシストか少なくともマルクシズムの部分的把持者であるらしいことを私は忘れないで...
三好十郎 「清水幾太郎さんへの手紙」
...(b)これこそ真実と確実とにおいて他のいかなる学にも優れていると自称する学〔幾何学〕の把持者...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...大きな精神を把持(はじ)させなければ...
吉川英治 「新書太閤記」
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