...手提げの中から読みさしの書物を取り出した...
伊藤野枝 「乞食の名誉」
...誰か隣の部屋で手提げ角灯(ランタン)に火をつけたのだ...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 海野十三訳 「まだらのひも」
...手提げ袋は人知れず隠せるにしてもだ...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...賊はその手提げさえ奪えばいいと思ったのだよ...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...第二に各地の手提げ(ハンド・バッグ)...
谷譲次 「踊る地平線」
...手提げの底へ忍ばせて来たアンチソラチンを出がけにそっと...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...要は手提げ鞄(かばん)にもたれて畳に両脚を投げ出しながら...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...株券や貴重な書類の入った手提げ金庫などを運んでいることが知れてから...
徳田秋声 「爛」
...床の間に幾つも置き並べられた手提げの花籠に目をくれながら...
中里介山 「大菩薩峠」
...小さな手提げのやうな器が共に運ばれた...
長塚節 「菜の花」
...フェルトで出来た汚れた手提げのなかには...
林芙美子 「浮雲」
...それに、一緒に戻つて来た友達もあつたし、これから働く場所も早く探したかつたから、落ちついてから帰るつもりだつたの……」さう云つて、ゆき子は、手提げから、故郷へ書いた手紙を二通出してみせた...
林芙美子 「浮雲」
...元町のサノヘで又革の手提げ一つ買ふ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...宿で借りた衣服を着て、手提げの中から、歯を磨く道具を出して、下に顔を洗いに行った...
水野葉舟 「香油」
...で、手提げの中から、鏡を出し、櫛や、ブラシを出して、いま洗って来た髪に櫛を入れながら、黙っていた...
水野葉舟 「香油」
...登はお雪から手提げの籠を受取り...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...時計入りの皮の手提げと...
夢野久作 「暗黒公使」
...彼女は手提げの中から点眼薬を出して...
若杉鳥子 「独り旅」
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