...退社といふ辭が我ながらムカムカしてる胸に冷水を浴せた樣に心に響いた...
石川啄木 「病院の窓」
...我ながら沁みじみ振り返る心持になつた...
犬養健 「愚かな父」
...そういう我ながら抜け目のない計算でした...
梅崎春生 「ボロ家の春秋」
...我ながら周章てたる男哉...
大町桂月 「越ヶ谷の半日」
...いつの間にやら俳諧道の先達になりすましてゐるのに我ながら驚く...
高濱虚子 「俳諧師」
...我ながら窶(やつ)れが目立っていることを感じたが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...我ながら醜態極(きわ)まる」「それではとても御車にはお召しになれませんな」定国がそう云うと...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...一つには心底彼女に惚(ほ)れ抜いているのが我ながら照れ臭いせいでもあろうが...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...我ながらあさましいけれど疑へない事実だ...
種田山頭火 「其中日記」
...我ながら知識の足らないことと経験の浅いことが残念でたまらぬ...
中里介山 「大菩薩峠」
...我ながらばつが悪いと感ぜずにはおられません...
中里介山 「大菩薩峠」
...我ながらわが病気に堪(た)えられなかった...
夏目漱石 「思い出す事など」
...津田は我ながら不思議の感に打たれざるを得なかった...
夏目漱石 「明暗」
...我ながら路地のドブ板を...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...我ながら天晴れ天晴れ感服感服の至りである...
正岡容 「わが寄席青春録」
...さて女の性(しょう)は悪しきものと我ながら驚き候は...
森鴎外 「そめちがへ」
...ともかくも七十年以上、時々は思い出した端々を人に話すことができるというのは、我ながら珍しい...
柳田国男 「故郷七十年」
...それでもその出て来るスピードには我ながら驚きました...
夢野久作 「スランプ」
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